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怪物君

怪物君

怪物君

作家
吉増剛造
出版社
みすず書房
発売日
2016-06-07
ISBN
9784622079866
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怪物君 / 感想・レビュー

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袖崎いたる

粒焼きの津波。寄せては消える波の音。これは音読できんのかね? 目と胸の汀へと佇んでればいいのかい? 詩ってほんとに意味じゃないんだなぁ。物質?物資、津?物資津波? あぁ…膨らんでは凋もうというのか。読後の残念。

2021/03/25

くにお

美術品のつもりで購入した一冊。これを読むというのはどういう体験だろうか。単純に「読書」という体験ではななかった気がする。少なくともこれまでに得たことのない体験であったことは確か。詩には言葉にならないものをなんとか言語化するという側面があると思うが、震災が生み出した「怪物君」の言葉はもはや人間言語になっていない部分が多い。この世ならざる世界の「ことば」が浮遊している。リフレインされる「ありす、あいりす、あかうま、あかぎ」のリズムは大地から湧き出る念仏のように聞こえる。

2018/07/02

pushuca

私がこの詩集を選んだのではない。私がこの詩集に選ばれたのだ。

2024/03/19

hiratax

国立近代美術館で展示を見てから詩集を読む。生原稿も見たんだけれど、実際カタカナの注釈?は極小の文字で記されている。絵の具がぬりたくられて乾いた原稿用紙、コピー用紙は海苔みたいだった。「なんとなくわかる」と「ちょっとなにいってるかわかんない」(サンドウィッチマン富澤)の狭間。ひとまず著作は随時読んでいきたい。

2016/08/16

白いハエ

内面の底に穴が空くと、聞き届けられることのない声が溢れてくるのだろう。連綿と続く、途方もない言い淀み。言葉が現実の淵スレスレにぶち当たって、立ち止まることを余儀なくされる、その瞬間の光の照り返し。万葉仮名ハングル英語フランス語を手当たり次第使って綴られる詩は、意味が砕け散っているようにしか見えないが、そこには何かがあるのだ…と結局、頁を進めてしまう指が傍証している。吉増剛造の言葉の力を漏らさないための繊細な本造りの労も合わせ、これだけの本がまだ出版され得ると励まされる気分だ。

2019/02/08

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