ヴェイユの言葉 (大人の本棚)
ヴェイユの言葉 (大人の本棚) / 感想・レビュー
いやしの本棚
冨原眞弓によるシモーヌ・ヴェイユ断章集。カイエのほか、書簡、論考からの抜粋もあり、ヴェイユ入門に最適な一冊。『重力と恩寵』と違いヴェイユの多面性が見えるし、それでいてなお「純粋」であり続けた精神の強靭さを感じる。「人びとは犯罪を軽蔑していると思っているが、じっさいは不幸の弱さを軽蔑している。犯罪と不幸の弱さをふたつながらに背負いこんだ人間にたいして、人びとは犯罪の軽蔑という名目のもとに、不幸をなんの気兼ねもなく軽蔑することができる。」127ページより
2019/06/16
白義
ヴェイユ自身の言葉によるヴェイユ入門の決定版。宗教、社会、哲学論とこれ一冊でその思想の輪郭にふれることが出来る。世界の矛盾、残酷を一身に引き受け葛藤したような珠玉の言葉だらけで、生半可なアンソロジーが及びもつかない言葉の密度を誇る。その世界観にはうっすら、受苦のスピノザ主義とも、デリダの神学版とも呼べるような異様さが付きまとっている。辛い人間、感受性の豊かな人間には永遠の友たりうる一冊だ
2011/12/04
青色
最近、考えることをやめてはいけない、というのを強く思うんだけど、同時に蓄積する疲れをなんらか乗り越えないとそうあり続けることは難しいなぁという気持ちもあり、ヴェイユの言葉には思うところが色々あった。この人の思想、私は好きだなと思った。
2019/08/19
兎乃
スピノザを愛し、今宵もヴェイユに学ぶ。永遠の友達といえる本。「自己と他者、神、悪と不幸、力と社会、そして美―断章と珠玉の詩」
2012/03/31
ガテン系
誰かについてかんがえるとき、その人が自分の側に居ないときは必ず、すでに死んでしまったかも知れないと考えること 事物においてもそれは同様に言える、この思考により実在性の感覚が衰えるのではなく強まる。 読みやすかった、ヴェイユは献身的だ(そりゃそうか)
2015/05/28
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