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小さな町 (大人の本棚)

小さな町 (大人の本棚)

小さな町 (大人の本棚)

作家
小山清
出版社
みすず書房
発売日
2006-10-11
ISBN
9784622080718
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小さな町 (大人の本棚) / 感想・レビュー

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ぱせり

この世間から、はみ出した幸薄い孤独な旅人のような人たちと、地道に暮らしている貧しい町の人々の生活とが、混ざり合って、つかのまの温かい、独特の交流が生まれているように思います。不運続きの作者には、きっと他人には気がつかない小さな温かさを感じ取ることができるのだろう、と思いました。

2010/01/02

さすらいのアリクイ

この小説集には新聞配達の話が載っているんですけど小山清、実際に新聞配達の仕事やってるんですよね。戦争直前の東京の街中で配っていたらしい。この小説集に載っている小説の内容は日々の仕事や生活での出来事、子どもたちとの交流や仕事で出会った人たちとの話など。それらのことが読むと頭の中にスッ…と入ってくる。普通の話ではあるのですが。非・個性的だけども読むと頭の中に話の中の出来事、登場人物の行動などが残るような。小山清の人物観察、思考、そして願望をそっと紙の上に置いたような…そんな小説集かな。

2023/08/22

どらいち

以前どこかで、妻が貧乏すぎてノイローゼになり自殺した作家、というのを聞き齧っていたので興味本意だけで読み始めた。そんなわけで、どろどろの私小説かと思いきや、嘯くわけでもなく、自暴自棄になるわけでもなく、かといってキレイ事ばかりでもなく、独特な筆致で読ませる短編集でした。夕張の炭鉱での話が多いのは、周りの人々への親しみからの信用があったからなのだろうか。他と毛色の違う『よきサマリア人』は講談聞いているみたいで楽しかった。

2024/08/30

7kichi

ほのかな光が差す一冊。

2008/08/27

はるたろうQQ

「よきサマリア人」だけ語り口が落語のようで少し他と異なる。周囲の人々が縁の下の力持をして自分を生かしてくれたことを語るので照れ臭かったのだろうか。「道連れ」もキリスト教的で聖愚者がモチーフ。太宰が題を付けたという「離合」は自意識が肥大化した煮え切らない男の話だが、徳田秋声の小説のようで時代を感じさせる。「小さな町」と「をぢさんの話」は映像がはっきり浮かぶ作品で、芥川賞候補になったのも頷ける。「雪の宿」は少し技巧的で女との会話もスムーズである。同じような作品だが微妙な差異があり作品集としても成り立っている。

2020/07/10

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