文学のユートピア―1942-1954 (ロラン・バルト著作集 1)
文学のユートピア―1942-1954 (ロラン・バルト著作集 1) / 感想・レビュー
ラウリスタ~
バルトの最初期の文章が収められている。ある意味では、バルトがバルトになる前の文章。後期の文章と比べると圧倒的に面白くない。そう考えると、こういったシリーズは前から順番に読むべきではないという持論が立証された形となった。面白くはないし、読みにくさも相当なものなのだけど、時にはピリリときくものもある。主に演劇と、たまに小説に関しての文章。ブレヒトを初期から推していたことや、ケロールって人の小説への偏愛ぶりが窺える。必ずしも読むべき本ではないか。
2012/06/02
amanon
タイトルに反して、演劇や映画についての論考が多く、また時代性もあって、かなりわかりづらい。各論考がかなり短めだったので、何とか読了できたというのが正直なところ。ただ、マルクス主義が肯定的に語られ、文芸を語る際に階級意識が不可欠であるのが前提という空気が色濃いというのが、興味深い。個人的にとりわけ興味深く読めたのはカミュの「異邦人」を扱った論考。あの独特の乾いた文体の味わいがかなりリアルに蘇ってきた。できれば、もっとああいうタイプの文章を読みたかった。ここから記号論や構造主義への変遷の過程が気になる。
2016/02/11
tamioar
異邦人とかゴドーとか取り上げる同時代作品がとても豪華。
2020/05/17
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