この道、一方通行 (始まりの本)
この道、一方通行 (始まりの本) / 感想・レビュー
スミス市松
著者は都市空間が提供する様々な言語素材――標識、広告、案内図、雑誌や新聞の見出し等々――から水平的に都市を描写するのでなく、垂直的に自らの断片的随想を構築する。読者が辿る〈一方通行路〉とはいわばこの思想家の精神の幹線であり、形式を重んじつつ断片と偶然を用いた組み合わせのアフォリズムは過不足なく研ぎ澄まされ、読んでいると背筋が伸びる。佇まいの美しい文体である。そして時おりあらわれる、愛した女性への情念の残滓もまた本書が〈一方通行路〉であることを示していた。ここをきっかけにベンヤミンの著作にあたっていきたい。
2018/12/03
三柴ゆよし
ものすごくよい。通読後、書き写しながら読んでいる。
2020/01/15
いやしの本棚
かねがね興味はあったものの、難しそうだな~とそのままにしていて、ゼーバルトを読んだことで、やはりベンヤミンも読まねば…と。アフォリズム集だし、短いので何とか読みきったけれども、理解できたとは言い難い。ところどころ、興味深く共感できる部分もあった。切手の話などドナルド・エヴァンズを連想するよね…(勝手な連想です) 再読するたびに、また見えてくることもあるに違いない。ともあれ装幀や訳など、難解なイメージのベンヤミンが、カジュアルで手にとりやすい一冊になっているの、いいなと思う。
2016/04/29
pon
アフォリズム集。解説によれば、ベンヤミンは本書を片思いの相手に捧げたそうですが、タイトルにはそういう意味もあるのでしょうか。“求愛の原理。自分を七人にすること。七人にした自分を、求めている女性のまわりに並ばせること。”気持ちは分かる気がするけどややうざいのでは? このようにとても良い本です。
2017/05/14
はすのこ
この本は高い...
2017/01/28
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