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白い人びと―― ほか短篇とエッセー (大人の本棚)

白い人びと―― ほか短篇とエッセー (大人の本棚)

白い人びと―― ほか短篇とエッセー (大人の本棚)

作家
フランシス・バーネット
中村妙子
出版社
みすず書房
発売日
2013-05-10
ISBN
9784622085072
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白い人びと―― ほか短篇とエッセー (大人の本棚) / 感想・レビュー

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アン

スコットランドの人里離れた古城で暮らす少女イゾベル。霧が吐息のように漂う荒野、透き通る白い肌の幼な友達、書庫に並ぶ古書。彼女は愛児を失い悲嘆に暮れる母親に弔意を表す優しい作家に惹かれ、彼もイゾベルに好意を抱き2人は結ばれることに。死別の惧れへの苦悩、澄んだ瞳に宿る秘密の力。幻影を纏うような神秘的な情景が美しく、切なくも静かな救いをもたらす表題作。愛しい小鳥との魂の触れ合い「わたしのコマドリくん」、未来を夢見る楽しさ「庭にて」。『秘密の花園』に連なる自然を慈しむ眼差しが注がれ生きる歓びを教えてくれるよう。

2022/03/14

kibita

「白い人びと」がとても良かった。あとがきで、バーネットが長男を15歳で亡くしたと知ると、この物語は一層囁く様な優しさと祈りに溢れているのを感じ、泣きたくなる。スコットランドの荒地に建つ城とヒースの紫とエニシダの黄色、そして漂う白い霧。「わたしのコマドリくん」も、作者の代表作「秘密の花園」の秘密を打ち明けてくれた様で楽しく、この本には作者の人柄が出ているようで、本当に読んで良かった。

2022/11/07

花林糖

表題作『白い人びと』と短篇2話・エッセー。『白い人びと』は幻想的で少し切なく好きな雰囲気の物語でした。短篇の『気位の高い麦粒の話』がシュールで面白かった。中村妙子さんの訳が素晴らしい。

2015/09/25

ワッピー

真実を見える目を持ち、ハイランド奥地の荒地で育った主人公と作家の出会いを描いた表題作。ムーアの美しさ、不思議さが余すところなく書き込まれている美しい作品でした。また、動物好きのワッピーには、コマドリとの交流を書いた「わたしのコマドリくん」も楽しめました。どの作品を読んでも伝わってくる躍動感にあふれた好奇心が大好きです。

2013/08/10

みけのすずね

孤高のうつくしさをもったミュアキャリー城に住まうイゾベルには、親しんだ荒野で出会った白い顔のお友達がいた…「死って、わたしー現実として感じることができないんですの」死が彼らを引き合わせ、わかちあった「丘の中腹」を繰り返す…おそれや悲しみの感情なく、死が二人の関係の続きなんだ、と感じられた。とはいえ複雑な心境のところに「コマドリくん」との友情?を育むエッセーがきて癒された。「これからもあなたを愛したようにひとを愛することはけっしてないと思うわ、あなたは魂を持っている、かわいらしいひとよ。」庭の描写も大好き。

2013/05/24

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