罪と罰の彼岸【新版】――打ち負かされた者の克服の試み
罪と罰の彼岸【新版】――打ち負かされた者の克服の試み / 感想・レビュー
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
アウシュビッツに収容されていた作家がナチズムとは何かを省察しようとした論文。被害者である彼は何を語るにも自分の経験に舞い戻ってきて、それを客観的に述べる事ができない。拷問の時に感じた恐ろしい孤独感や拷問後は2度と元の自分には戻れないという実感。恐怖が支配する強制収容所で「知識」あるいは「知識人という誇り」は消え去ってしまう事。困難の中ユダヤ人をこっそり助けてくれたいいドイツ人が居ようともナチズムを育てたドイツの罪は国民全員が負うべきものである事。などの考察。思っていた作品ではなったが最後までじっくり読めた
2017/10/13
ヘラジカ
これまでに読んできたホロコーストの書とは照らされる面が微妙に違う印象を受けた。池内氏の言葉を借りるなら「考える位相というものがまったく別のもの」だからだろう。エッセイ形式であり一遍一遍が短いためもあって読解という意味では大変読みやすいが、語られるものについては決して同じことが言えるわけではない。この本が今なお新版として世に出される必要性を認めたみすず書房には敬意を表したいと思う。他国の過去のなかに、未来の糧になるものを見つけるのは容易い。ならばそれをしないのは怠慢だろう。
2016/10/19
Meg Mog
「異端の鳥」と間違えて途中から半分寝ながら漸く読了。ユダヤ人と言うことをひたすら問うてる印象🙄アジア人や黒人も酷い差別を受けたりするけど、作者はアウシュビッツの当事者と言うものすごい経験をしてるから気持ちも分かる…けどやっぱり自分には複雑過ぎて睡魔に勝てん😅最後の系譜で作者が自死したってとこが1番ショックだった😔
2021/06/28
はすのこ
夜と霧もそうだが、アウシュビッツものは生々しさが美しい。
2017/02/04
ひろみ
「なにはともあれ自分は一つの仕事をやりとげたように思うのだが、ともに人間でありたい人すべてのところに届いてくれることを願わないではいられない」これしかないです。引用するのも感想を述べるのも憚られる。
2016/10/21
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