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予期せぬ瞬間

予期せぬ瞬間

予期せぬ瞬間

作家
アトゥール・ガワンデ
石黒達昌
古屋 美登里
小田嶋 由美子
出版社
みすず書房
発売日
2017-09-09
ISBN
9784622086390
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予期せぬ瞬間 / 感想・レビュー

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アキ

この本は著者が医者になって初めて書かれたが、15年ぶりに復刻された。なにより医療のcomplicationが率直に語られている。全米では医療ミスで4万4千人あまりの患者が死亡している。日本は統計自体存在しない。医学は不完全な科学。システムももちろん重要だが、医者の信念もまた重要。救急現場で25万人に1人の壊死性筋膜炎と診断した若い女性と救急担当医である著者の切羽詰まったやり取りが心に残る。外科医の直観と決断。あいまいな情報しかなくても、その時点で判断するしかない。これこそが医療という不確実性の科学の本質。

2018/11/28

かもめ通信

医療で人を救うといったヒーロー譚ではなく、医療現場に巣くう闇を告発するといった類いの本でもないが、命に関わる決断を迫られたり、手に汗握るほどスリリングな場面も。なによりも著者の真摯な姿勢が胸を打つ。

2021/09/20

でんか

研修医時代にかかれた「コード・ブルー」の改題復刻版。医療エッセイ。内容に関しては、さすがに一昔前の話だなあと感じることはあるが、その根底にある、医療そのものに流れるものはいつの時代も変わらないのだと思った。医療行為の不確実さ、その上に成り立っているのだということを、どれだけの人が分かって治療を受けているだろうか。ミスはありうる。それを医療者側から率直に描いたこの本、ぜひ、一般の方にも読んでみて欲しいと思う。この本を読んだなら、同作者のほかのエッセイもぜひ。

2017/11/02

GASHOW

ドクターハウスを思い出す。原因を見込んだ対策は外れて患者が死にそうになる。わからないなか判断をすすめる。救えた命があれば、それは正しかったことになるが、それ以上の方法があったかどうかはわからない。人喰いバクテリアみたいな恐ろしい病原菌に襲われたら悲惨だが、医者も強敵にあうと判断に困りながらも一緒にたたかってくれていて立場がちがえどつらいおもいをしている。

2017/11/14

DEE

いくら優秀な医師であっても、人間である以上やはり失敗は起こり得る。 人間の体はどこまでも複雑であり、予想通り、医学書通りの反応が常に起こるわけではない。 そんなとき予期せぬ瞬間はやってくる。 実体験をベースにしたこのエッセイ集は、医師が現場でどれほど迷い、悩み、考えているかを正直に語っていると思う。

2018/02/04

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