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工場日記

工場日記

工場日記

作家
シモーヌ・ヴェイユ
冨原眞弓
出版社
みすず書房
発売日
2019-07-11
ISBN
9784622088172
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工場日記 / 感想・レビュー

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くまさん

 自分が何を欲しているのかがわからなくなるときがある。「あまりに疲れはて、自分が工場にいるほんとうの理由を忘れてしまい、こうした生がもたらす最大の誘惑に、ほとんど抗えなくなる。それだけが苦しまずにすむ、たったひとつの手立てなのだ。かろうじて土曜の午後と日曜に、記憶や思考の切れ端がもどってきて、このわたしもまた、考える存在だったのだと思いだす」。よどんだ気分、頭痛、意気消沈、恐怖と不安、そして「荒れそうな鬱々たる時節」……。この日記の具体的な困難の描写から、仕事との関係をどのように結びなおすことができるか。

2021/05/29

erierif

初シモーヌ・ヴェイユ。労働について考察するため自動車部品工場で働く日々の日記。危険な作業や機器もあり様々な部品を作るため常に緊張し騒音と罵倒が彼女を圧迫する。作業そのものよりノルマが厳しく少ない給料から引かれていく伝票を[流す]と記される事が多くつらい。さらに記録も誤魔化されたりもする。常に頭痛がして自らを奴隷と自覚して駄獣と思うあたりも読んでいてつらい。やがて労働のあり方、教育や仕事の全体的な理解が必要など考察がでてきてプロレタリア革命にも批判的な視点を持つ。シンプルな日記(続

2019/10/18

ケイトKATE

近代社会における労働の苦しみを自らの体験から記した日記。ヴェイユは労働の苦しみについて、労働者は時間とノルマに追われ、そのために肉体も精神も疲れ果て思考停止させていく。その状態は奴隷と変わらないことを的確に考察している。ヴェイユの日記は80年以上前に書かれているが色褪せていない。ヴェイユは今こそ読まれるべき思想家である。

2019/09/23

Hiroki Nishizumi

『労働と人生についての省察』掲載を読んで以来、ン十年ぶりに再読。今回の冨原眞弓の翻訳は前掲の黒木・田辺より柔らかい。もしかすると原文のニュアンスは今回の方が正しく伝わるのかもしれないが、内容的なこともあり前掲の方が好ましく感じる。これは単に好き嫌いの感情的な問題なのかも。

2019/12/01

sakurasakiat

作業にかかった時間や、給料の羅列を異様に感じてたじろいだけれど、自らの日々と何が違うのかとふと不安になる。何がどうなるのかきちんと把握している分、ヴェイユのほうが飼い慣らされず「部品となる」ことにきちんと抵抗しているのでは、と感じて。

2019/08/26

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