死ぬことと生きること 【新装版】
死ぬことと生きること 【新装版】 / 感想・レビュー
原玉幸子
明治生まれで戦後に活躍した写真家、土門拳の65歳の時に出したエッセイは、時代其々、又表題も文体もばらばらの印象を受けますが、女性を撮るのが苦手とのエピソードはご愛嬌で可笑しく、写真芸術に関する持論には著者の気骨を感じ、その時代の人間が好きな読者は、著者の生き様に感銘を受けます。只、表題が老境の自身が見つけた何かではなく、幼児を亡くした悲しみと決意を綴ったものだったのは意外でした。(◎2018年・冬)
2020/03/26
タロウ
写真家の実態を知ろうと思って読む。写真家志望の青年に写真家になるには商業写真の丁稚になり5年とか修行するか大学を出て出版社なりに就職することを説く現実性、就職しても最初は使える写真は撮れないこと、プロは売れる写真を撮らなければいけない、アマチュアは絶対にいい写真を撮る信念がないから下手、プロは一枚でも多く撮ろうとする、商業写真館の丁稚時代に報道写真家になるために内緒で勉強を続けた話、風景写真をただ撮るだけではダメ、自然のパノラマに敵わないし写真の中に暗示させるものを入れないといけないなど色々教えられた。
2024/09/24
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