ヴェイユの言葉【新装版】
ヴェイユの言葉【新装版】 / 感想・レビュー
月
人間は労働によって自己の周囲に宇宙を創りだす。一日の収穫を終えて、おまえが畑に投げかけたまなざしを思いだせ。散策者のまなざしといかに異なることか。散策者にとって、畑は芝居の書割のごときにすぎない。自分の目の前に、全世界を、全生命を所有していることを忘れてはならない。おまえにとっての生命は、ほかのいかなる人間にとってよりも、実在的で、充溢し、晴朗たりうるし、またそうあらねばならない。なんらかの放棄によってあらかじめ生命の十全性をそこなうな。なんらかの情愛によって自己を牢獄へつなぐな。己の孤独を守るがいい。→
2020/11/22
圓子
自分の頭と言葉で考える、そのために。この数年・数か月・数日、我を悶々とさせ世相を混乱させる問題をあざやかに両断する断片がたくさん。おお!おお!と膝を打ち頁を繰る。キーワードを拾うとすれば、存在、不幸、悪、善、あたりか。キリスト教的価値観からスタートしているらしい論考は、ところうまく呑み込めない一方、哲学と宗教の親和性と相似性を感じた。自然はすでにコントロール下にある、と読める自然観には驚いた。20世紀初頭の欧州人はこう信じていたのだろうか。周りから「相当な変わり者」として扱われそうな経歴の持ち主だけど、
2020/05/30
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