子供たちの聖書
子供たちの聖書 / 感想・レビュー
ヘラジカ
退廃的なコメディに続く恐ろしいサバイバルは本を手放せないほど夢中にさせてくれる。もちろん単に面白いというだけの作品ではない。世代間闘争、アメリカ社会の潜在的な暴力性、気候変動とそれに伴う文明の崩壊。現代での聖書再話や黙示録というとあまりに陳腐に感じられるが、これは想像を遥かに上回る衝撃作である。平易な文章と分かりやすいストーリーラインで描かれた物語は、独特な牧歌的雰囲気とユーモラスを備えているにも拘らず、慄然としてしまうほどの真実味を持っていた。簡潔にして壮大な神話的物語。唸るような傑作。
2021/12/19
きゅー
聖書の現代的再解釈に気候変動サバイバルを加えた物語と言えようか。私にはp160以降の物語の展開があまりにも唐突でナンセンスに感じた。全編に「子どもは強くて賢い。大人は弱くて愚か」というテーゼが充満しており、結末が近づくにつれそのムードが強まって説教臭くなる。さらに、さあどうなるのかという場面で「機械仕掛けの神」的な人物が登場した際には呆気にとられたし、それがどんな聖書のメタファーなのかわからない。正直に言ってこの本の思想が理解できなかったの一言に尽きる。読み進むほどにクエスチョンマークが増えていった。
2024/11/19
にしきみ
すごい。強い。
2022/04/05
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