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テキーラとメスカル:同じ起源をもつアガベ・スピリッツ

テキーラとメスカル:同じ起源をもつアガベ・スピリッツ

テキーラとメスカル:同じ起源をもつアガベ・スピリッツ

作家
サラ・ボーウェン
小澤 卓也
立川 ジェームズ
中島梓
出版社
ミネルヴァ書房
発売日
2021-06-04
ISBN
9784623091102
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テキーラとメスカル:同じ起源をもつアガベ・スピリッツ / 感想・レビュー

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パトラッシュ

酒と政治の関係は日本では酒税、欧米はDO(原産地保護)が主だが、途上国においては大手資本による量産品が農民の造る地酒を圧迫する問題に集約される。特にテキーラとメスカルが世界的に売れる商品となったメキシコでは、酒造会社が儲けるのに都合のいい法律や制度を作らせて工場製の粗悪品もDOの対象とし、原料のアガベを自家栽培して農民たちを極貧に追い込んだ。金も力もない農民を救ったのが、伝統製法による本物のテキーラを求めたアメリカの消費者だったのは皮肉だ。日々の飲食物にも政治や経済が深く関わっている事実を痛感させられる。

2021/09/18

oDaDa

DOもモノカルチャー経済に加担し、大企業と資本主義にタガはない。呑気にマルガリータ啜る気は失せるくらい、DOと制度と政府と農家とヒマドールとテキレロとの様々な意匠からなる欲望で錯綜している。小手先の酒の話ではなく、世界システムの中にアガベスピリッツを位置付け、世界は収奪システムで未だ動いているかをメキシコの事例から知ることができる好著。「メスカルはフォークロアではない」、従って僕は闘うメスカルの方をより好む。本文は問題意識に溢れているのに、訳者解説が「楽しめ」とだけとは余りにも呑気な日本人を表象している。

2022/03/07

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