無限と中軸
無限と中軸 / 感想・レビュー
浅香山三郎
未來社は埴谷雄高の評論・対談集を多く(20冊位)出してゐて、本書は1990年刊。対談者は、野間宏・瀬戸内寂聴・井上光晴・小田切秀雄。それに武田泰淳など同時代の作家を論じた、「文学の世界」が冒頭に置かれる。野間宏との大岡昇平論は、恐らく、埴谷・大岡の対論(『二つの同時代史』)でも展開されたのだらうが、第三者を相手に本人歿後、より冷静に大岡の仕事全体を論じる。寂聴センセイとの対話では、井上光晴の文学者としての矜持が話題となり、井上光晴との間では、週刊新潮ライター時代の創価学会取材について、小田切秀雄とは↓
2022/03/22
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
大岡昇平、瀬戸内寂聴、井上光晴、小田切秀雄。井上さんの地を這うようなたくましさが、対談ではいつも楽しく感じる。小説は…うっかり読むとトラウマになりそうな気がして、まだ読む気は起きないが。井上さんは、いいところのお嬢さんだった妻をも助手のようにして聞き込みをさせたり、その影響か娘が物書きになったかもしれないというあたり、らしいなあと思った。周りを巻き込む存在感。瀬戸内さんは、もう出家した後の対談だいうのに、相変わらずイケメンだの男だのとちょっとソレ一辺倒でうざい苦笑。たしかに埴谷さんはイケメンだ。
2023/01/29
感想・レビューをもっと見る