宿命 (転換期を読む 19)
宿命 (転換期を読む 19) / 感想・レビュー
しろ
真理へ潜り続ける萩原朔太郎。息継ぎのような表現が詩であった。 思想、哲学、何某、凝縮されていて、いつも頭上に曇天が見える私には行燈のような世界だった。「魂の秘密」という言葉が出てきたが、詩は人の魂の秘密だからこそ、慰めになるのだと、改めて考えさせられた。暗かろうとじめじめしていようと、だからこそ、私の人生には朔太郎の詩が必要だと強く思った。
2018/02/18
miyuki
散文詩と抒情詩のふたつが併存している詩集。朔太郎の社会生活者としての関心の方向という意味で、この詩集はもっとよまれるべきだとおもうし社会不適合者が社会で生きるための助けとして、この本はもうすこし評価されてもよいのではないかと思う。いくつかの用字に関しては改められている部分があると、凡例のところで断られているが、原文を尊重してか、旧字旧仮名を用いた復刻は、なかなか手の込んだところであるとおもう。当時のモダニズムを感じるには、やはり旧漢字のほうが文体とあいまって、この詩集においては合っていると思う。
2016/07/08
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