日本近代漫画の誕生 (日本史リブレット 55)
日本近代漫画の誕生 (日本史リブレット 55) / 感想・レビュー
富士さん
江戸時代末期から明治時代にかけてのマンガ史。アニメ史に興味があるものとすると、下川凹天と幸内純一がマンガ史の文脈から跡付けられたので満足です。本書をはじめ清水さんの研究の意味は、日本のマンガが浮世絵からの伝統を背景にして、直接欧米のマンガを学んで生み出されたことを丁寧に論じていることです。日本のマンガやアニメの歴史を語るにはまず欧米と江戸時代の戯画の歴史を丹念に追うべきで、何百年前の鳥獣戯画から直接結びつけるなど奇をてらったエスノセントリズムでしかなく、まともな研究でないと言っているに等しいと思います。
2021/04/20
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