ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある
ヤマケイ文庫 働かないアリに意義がある / 感想・レビュー
ゆう
社会の中に余力を持つことは、短期的には単なる無駄や非効率に思える。しかし、長期的な視点では余力を備えていることが、変動性やランダム性から利益を得ることに繋がり、全体の存続に有利に働く。陳腐な感想だが、自然や生物が持つメカニズムには、まるで誰かが作ったかのような知性を感じる。生存し続けるためには、頑健性よりも反脆弱性が重要だということを、自然は人間よりもよく理解している。
2024/06/23
しょうご
「ほぼ日の學校」でお話しされていたのをきっかけに興味が湧き購入しました。 アリのコロニーには働きアリがいる一方で働かないものもいるそうです。 ちなみに働かないアリを集めるとこの中でも働くアリとそうでないアリに分かれるとのことでした。 汚い部屋にいて掃除をしようと思うタイミングが人それぞれ違うという表現に納得しました。 学問や研究って本来こういうものなのだという気概のようなものを感じとることができました。
2021/09/14
よしよしニャンコ
生物は働けば必ず疲れる。全員が疲れるとコロニーは壊滅する。仕事に対する反応閾値(腰の軽さ)が個体によって異なる=働かない個体が出てくるのは、コロニー全体としてのいざというときの冗長性ということか。今即効で役立つことや、瞬間的な効率の最大化ばかり求める現代日本に警鐘を鳴らす。私が勤め先で担当してる無駄としか思えない事業も、別の事業に応用できる日が来るのかもしれないと思うことにしよう。/専門的な研究内容をかなり噛み砕いてくれていることはわかるが、それでも難解な文章がたくさん出てきて挫折しそうになった。
2024/05/18
しみー
普通に面白かった。組織としてみんなが働くヤツより働かないヤツがいないと成り立たない。そしてそういうヤツが思いもかけない近道を見つけたりする。
2023/05/22
hiyu
組織論としてみても非常に興味深かった。よくよく考えたら同じ人であっても、何をするにしても熱の伝わり方は違うものだ。しかしそこに大いなる意味があること、非常に意義があることを改めて考えさせられた。そして著者の研究に対する志向性も見習わないと。
2022/08/03
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