ヤマケイ文庫 手塚治虫の海
ヤマケイ文庫 手塚治虫の海 / 感想・レビュー
スリカータ
山と渓谷社の手塚治虫シリーズに続編が出ていたことに気付き、手に取った。冒頭のブラック・ジャックが断然面白い。子供の頃、この話を読んでシャチがただただ可哀想で泣いたが、大人になるとブラック・ジャックがシャチの治療を放棄した気持ちも解る。全体を通しては、自然破壊に対する警告のメッセージを感じた。もう作者が亡くなって35年経つとは。
2024/05/18
おーすが
『手塚治虫の山』『〜の森』に続いて読んだ海にまつわるアンソロジー『手塚治虫の海』。ブラックジャックのシャチの話にはじまり、どろろやアトムなどお馴染みのキャラクターの海エピソードが読める。印象に残ったのは海女の姉弟の読切。異母姉弟の危うい関係性が海辺の街の悲しい歴史を物語る。海というテーマにぴったりの短編だし、手塚治虫の描く女性のコケットリーな魅力がたっぷり。また、どろろのサメの質感もなんかムニュとしていて素晴らしい。最後の話は海というより船。
2023/05/19
ムーミン2号
ヤマケイ文庫の手塚作品アンソロジー。今回のテーマは「海」。海といって思い浮かぶのは「海のトリトン」だが、これはまんま「海」になってしまうので、400ページの文庫では収められないし、どこかを切り取るということもできないのだろう。ここには入っていない。表紙にあるのは「どろろ」の一場面で、これを見た時、あぁ、「どろろ」にはそういうエピソードがあったなぁ、と思い出したことだ。お馴染みの「ブラック・ジャック」や「鉄腕アトム」もよいが、最後の「大暴走」は壮絶かつ悲哀に満ちた中編であるとともに、人間のエゴも描かれる。
2022/03/27
シュウヘイ
手塚作品、まだまだ知らないものがたくさんある
2022/10/23
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