ヒタメン 三島由紀夫が女に逢う時…
ヒタメン 三島由紀夫が女に逢う時… / 感想・レビュー
安南
歌右衞門の年若い親友。生まれながらに贅澤が染み付いた料亭の娘。純潔なお嬢様でありながら、花柳界の水で洗われ男女の機微にも通じた美女、素人でもなく玄人でもない、三島が夢見た理想の女。この女性との三年間の恋を聞書きした、小説『見出された恋』の実録版。語られるのは連日の美食と芝居、ナイトクラブに着るもののこと。この刹那的で浮世離れした《文学とは無縁の交際》これもまた、三島にとっては理想の逢引だったと思われる。銀座などの当時の街の風俗、着物のあれこれも楽しい。
2014/09/15
ちゃっぴー
三島由紀夫の意外な一面をみました。三島由紀夫というより平岡公威の素顔なんでしょう。不思議な巡り合わせで出会った素人でもなく玄人でもない理想の女性との運命愛。交際していた3年間、貞子との逢瀬はほぼ毎日でその間、三島は小説が書けて書けて仕方がなかったという。人生の中で幸せな3年間だったのかもしれない。「好きだ、全身全霊で君に惚れてるよ」なんてことを会うたびに言うなんて、すごい直球を投げるんだ。
2019/01/12
ちいさな図書館
三島由紀夫の著作も三島由紀夫について書かれた本も、ときどきとても読みたくなる。久しぶりに手に取ったこれは、三島の恋した魅力的すぎる女性の姿にすっかり心を奪われ、一気読みだった。出逢った当時19歳だった彼女は、29歳の三島を夢中にさせる。まるで作為無く男を夢中にさせてしまうこの人に三島が出逢えたことは、のちの読者たちにとっても幸せであったと思う。彼女なしには、三島はもっと孤独であっただろう。そしてバブルなんて目じゃないほどの当時の花柳界の煌びやかなこと…彼女に紐解かれる時代の風景も素晴らしかった。
2014/10/06
naobana2
ノンフィクションこれを読めで紹介されていたので。三島由紀夫に興味もあり。三島由紀夫に愛されるって大変だな。ますます読みたくなりました。
2013/11/17
みゃん
福島次郎氏の本の信憑性を否定する記述は必要ないんじゃないかなあ。と、おもいつつ楽しく読ませていただきました。春の雪と奔馬と金閣寺くらいしか読んでいませんが、三島由紀夫はけっこう好きなので。とにかく、貞子さんの浮き世離れっぷりに圧倒されました。あの時代にピルを服用していたとは。三島由紀夫は、本当に誠実な人やったんやと。毎月7万円以上がデート代に消えたのかー。うーん。暁の寺はともかく、最後の天人午衰なんか読んだら書けなくなったんだ。っていう呟きが真に迫って聞こえてしまうよ。
2019/06/03
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