性表現の自由 (人権ライブラリイ)
性表現の自由 (人権ライブラリイ) / 感想・レビュー
時雨
1986年刊。カバーをつけずに読むにはなかなか勇気が要りそうな、ド直球のタイトルである。本書は2部構成で、前半では「猥褻表現」を巡る訴訟にゆかりのある憲法研究者・法曹・小説家の三者による座談会の模様を収録する。法律論に囚われないという冒頭の宣言通り、それぞれの視点から性表現についての来し方行く末をざっくばらんに論じていてなかなか面白い。チャタレー事件の弁護を担当した環氏が、猥褻表現規制の法理を固守する裁判所の態度について「職業的な魔術にかかってしまっている」(51頁)と表現したくだりがとても興味深かった。
2020/03/19
感想・レビューをもっと見る