石橋湛山論: 言論と行動
石橋湛山論: 言論と行動 / 感想・レビュー
koji
石橋湛山の言論と行動の複雑さと骨太さが分かりました。小日本主義と括られることが多い石橋の思想は、戦前、戦中、戦後で変転しているように見え、その言論・行動を追いかけると複雑な迷路に陥ってしまいそうです。著者は、小日本主義を戦間期の一つの固有の思想であり、自立主義と経済合理主義こそ、思想の核心と言います。しかしそれでも表層的な理解です。著者は、さらにその奥底にあるのは「言行一致の信条」にあると見ました。最終章のこの言葉にいきつき、石橋の骨太さと著者の透徹した結論に納得できました。本書は石橋研究の一つの白眉です
2012/05/16
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