幻夏祭
幻夏祭 / 感想・レビュー
くろすけ
芸術方面がからきしダメな私は、物心ついてこの方ずっと才能豊かな人を羨んできた。この本を読んで、羽がないからこそ地上の暮らしに十分満足して生きていられるのだと知った。羽を持ち飛翔の歓びを知る者が、羽を切られ地上に繋ぎ止められる苦痛。自分の羽がほんとうは飛べる羽ではなかったことを知った者の絶望。その激しさに加えて中年に差し掛かる女性たちの身体と心の渇きが縒り合され、じりじりと炒られるような焦燥感に駆られる長編だった。
2016/07/23
えも
題名から幻想的な話を期待したのですが、「物が溢れる中で心が満たされない現代社会」を描いた(しかも現代といっても昭和)普通の長編小説でした。▼これからはよく調べてから借りよ(T_T)
2015/10/22
にゃんころっく
皆川博子さんのお話の中ではとても読みやすいのではないでしょうか。 人が生きる中、色々な出来事があり、時間を経て変化がある。 その中で迷い、悩み。。。 登場人物が其々とてもリアルで、期待していたお話とはかけ離れたものでしたが楽しく読みました。
2014/06/28
なつ
それぞれ悩みがありながらも、前向きに生きていく女性たちの強さを感じた。それにしても尚人は弱い。そして甘い。気の毒な最後だったけど、読んでて情けない気持ちになった。
2012/05/19
ぱーぷる・ばんぶー
物書きになりたいと思っている平凡なサラリーマンの妻とかつて芝居の脚本を書いていたスナックを経営する姉、そして妻の親友という3人の女性のいろいろな思いを描いている。著者の作品としては極めて普通な現代小説。姉や姉の店の常連客である劇団に関わる人々から著者の一つのジャンルである芝居話の匂いはする。
2014/06/04
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