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卑弥呼

卑弥呼

卑弥呼

作家
久世光彦
出版社
読売新聞社
発売日
1997-05-01
ISBN
9784643970807
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卑弥呼 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

本書は、かつて(1995年12月~1997年1月)読売新聞に連載されていたもの。新聞小説としての流れはスムーズだが、どうやら着想(カオルの心的不能)と結末(その克服)は構想されていたものの、それ以外は勢いに任せてという感じだったのではないだろうか。構想上のもう一つの核であるHimiko-projectは破綻しそうになったまま、雑誌そのものの存続も、というところで頓挫したようだ。また、登場人物たちは、それぞれに魅力的ではあるものの、誰もが(カオルはそうでもないが)多かれ少なかれエキセントリックである。

2023/08/03

ピロシキ(•ө•)♡ オノパパです

「なんか、もっと大らかで、明るくて、ガラス張りの午後の喫茶店でも口にできるようなアレの呼び方ってないんでしょうか。セックスするって言い方も、好きじゃないんです。どうして外国の言葉を借りてこなきゃいけないんでしょう。日本語の素敵な呼び方がないから、英語に逃げてるんじゃないでしょうか。」 「日本の国民みんなで考えて、可愛くて、爽やかな名前が見つかったら、どんなに素敵でしょう。今までの呼び名が、寒くて暗い冬の言葉だとしたら、気持ちのいい風が吹き渡る、春の言葉を探したいと思うんです。

2018/12/26

kudotogo

悪人が出てこない話だった。テレビのドラマにしたら、ちょっとユーモラスでキュートな感じでいいと思う。キャスティングするのが楽しそうだ。一服の清涼飲料のごとき読後感。最後には、結局できるようになるんだろうな、という予定調和的な結論は最初からばればれなのだけれど、そこに至るまでにカオルもユウコも、純情な悩みをたくさん経験して、なにかと青春だと思う。

2015/10/10

Hisashi Tokunaga

「大田文学ってどう」;洗足池の描き方に架空の<猫>という店を設定するところが他作品と一味違う。主人公二人が小舟の白鳥にタダ乗りして池にドボンはうーん月並みか?<猫>の役回りは?大岡山の東工大、南雪谷etc。おばあちゃん(橘小百合)と柳生さんの壮絶な読書量に感服。小百合おばあちゃんと柳生コネリーさんの膨大な知的営為は、他の登場人物にそれだけで影響した。だから、本作品は超高齢者文学ともいえる。

2014/08/19

Saki

本当に好きな本。 久世さんらしいキャラクターと、表現がたくさん詰まってる。 カオルとユウコの若いカップルを、おばあちゃんと柳生さんの二人が導いていく。カオルの両親もまた、やり直しの旅に向かう。 どの人たちも、愛がある。その愛の表現は、どうもうまくいかないんだけど、最後にはきちっとはまる。 っていう終わり方も素敵だしね。何度も読み直したいよ。

2012/01/01

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