天皇制の文化人類学
天皇制の文化人類学 / 感想・レビュー
秋津
つい最近亡くなられた、文化人類学の先生の本。シェークスピアの戯曲、日本の神話や歴史、アフリカや東南アジアの儀礼等を通じ、支配者にとって好ましくない、規範からの逸脱や、不作や疫病、反乱等々をあえて規定し、それを皇族、王、司祭などの存在に負わせ(スケープゴートとす)ることによって体制の安定を図る行動が見られますね、という考察。一見何の価値があるのだと思われる地位の転倒(卑賤の存在が実は皇族の生まれ、司祭が厄災の象徴として追われる儀礼など)の規定が、権力や制度の安定に資するということが興味深く、面白かったです。
2013/05/20
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