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蟹塚縁起

蟹塚縁起

蟹塚縁起

作家
梨木香歩
木内達朗
出版社
理論社
発売日
2003-02-01
ISBN
9784652040232
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蟹塚縁起 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

梨木香歩さんの絵本。日本のフォークロア風物語。短いが、ここには様々な要素が盛り込まれている。まずは、表題通りに縁起譚であり、因縁譚であり、また報恩譚であり、そして変身譚でもある。遠野物語を想起させるが、彼女の作品では『丹生都比売』の趣に近いかもしれない。木内達朗の絵は暗いマッスのタッチで力強く描く印象派風のもの。どんな読者を想定したのだろう。少なくても子供向きには見えない。シンプルだが奥行きが深く、静かに読者の感情に忍び寄る作品だ。昔話を語って聞かせるスタイルの文体も、あえて懲り過ぎていないところがいい。

2014/11/05

KAZOO

梨木さんの絵本です。ある意味蟹の恩返しのような感じなのですが、そこから様々な話がつながり結構しんみりした話で最後もすっきりとした終わり方になっています。絵も色あいもこの話の内容にぴったりな感じです。子供向きというよりもある意味若い人から上の人向きだという気がしました。

2017/02/06

nico🐬波待ち中

梨木さんの昔話のような絵本。…あなたがその恨みを手放さぬ限り…亡くなりその体は朽ち果ててしまっても、人の思いは永遠に残る。例え七回生まれ変わったとしても…。思いを遂げた蟹達が蛍になって、煌々と照る満月に向かって静かに飛び立つ様はとても幻想的で美しい。一匹残らず飛び立って行ってしまった蟹達。切なく哀しいような、それでいて温かな気持ちにもなり胸がいっぱいになる。木内達朗さんの淡く優しいタッチの絵が、梨木さんの物語の世界にピッタリはまってとても素敵だった。

2017/12/07

chimako

梨木さんのお話も絵もとても良かった。助けた蟹はかつての部下だったのか。蟹たちの想い、自らの恨み。前世を生きてこその今。胸がシンとなる。

2019/08/28

紫 綺

蟹の恩返し。限りなく絵本に近い児童書。梨木さんの美しく明瞭な文章と、日本画のような油絵が絶妙に調和する。若い世代にこの本を手に取り、梨木さんを知るキッカケにして欲しい。

2019/08/31

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