ファンタジーのDNA
ファンタジーのDNA / 感想・レビュー
井月 奎(いづき けい)
ファンタジーの定義から名作古典の味わいかたまでを軽やかな、しかし情熱的な筆致で記したエッセイ集です。優れた物語、ファンタジーは多面的な姿を見せます。そしてファンタジーが時折見せる恐ろしい、禍々しい姿と光は神話を源泉としていて、自然と人の調和を無理矢理につけた物語でもある神話はすこぶる危険な一面をも持っており、それを人の心に届けることのできる形に置き換えたのがファンタジーなのです。、そのようなことを気づかせてくれるこの本を読んでからファンタジーの名作を読めば、味わいが増すのではないでしょうか。
2016/10/07
がらくたどん
ファンタジー系児童文学オタクとも思える著者による児童文学愛にあふれたエッセー。ほぼ同年代ゆえ「へへ、やっぱり読みましたよね」という読書リストなので、読んでいてこちらもちょっと早口で語りたくなる楽しい本。せっかくの大学児文研でちっとも子供時代のワクワク読書体験を語り合えなかった経験もあるあるで少し胸が痛んだ。今、再び児童書に社会問題が投影される流れを感じる。子どもであっても現実の諸問題に意識を開くことは大切だが、リアルなメッセージでばかり迫らなくても物語が子どもの中に拓くことができる世界は多いんではないか?
2021/12/16
榊原 香織
読書遍歴が自分とかなり似てる! 特にアラン・ガーナー出てきたりして。 ナルニアに対する思い入れは当然。 紹介してある作品いろいろ読みたい。
2020/09/27
ヒロ@いつも心に太陽を!
『RDG』シリーズがマイブームで戸隠神社に行くのを密かに計画中のワタシ。荻原先生の読書遍歴やファンタジーについての考え方が書かれたこの本は非常に興味深く、とても面白かった!!!私の場合、小学生の時に読んだギリシア神話と日本の神話に共通点があると気づいてから、家の近所の神社や祭りにさらに興味を持ち、今の神社仏閣巡り好きや古典芸能好きにもつながっていってたりするわけで。ファンタジーというなら『はてしない物語』も私の本好きを加速させた一冊。
2010/07/19
珂音
荻原規子はこうして創られた・・・少なくとも彼女の一部は、そんな事を思うエッセイ集。「ふり返ってみると、わたしは、読書習慣をことさら学校で学ばせる必要のない子供だったが、本を読みたいと思うと抑制できない困難はあった(まま)」同じような傾向を持ちながらずいぶんと隔たってしまってるのは才能と努力の違いだろうね(^^ゞ 読みたい本、読み返したい本が沢山できました。
2010/11/22
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