ひかりのメリーゴーラウンド (よりみちパン!セ 10)
ひかりのメリーゴーラウンド (よりみちパン!セ 10) / 感想・レビュー
chimako
「よりみちパン!セ」の中の一冊。田口ランディはこの中に、目に見えないものの存在から人を愛すること、人として生まれた理由や生と死、中学生の揺れる心持ちや性への関心などたくさんのことを書きながら生きる勇気を教えてくれる。気の力で治療院を開くおばあちゃん、翻訳家の母、栄養士の姉と暮らすまゆが主人公。小さな頃は人には見えない物が見えた。そのまゆがおばあちゃんの治療院を手伝い始めてまた感覚が鋭くなる。初めて好きになった岡野くん。初めてのデート。岡野くんの病気。切なくて愛しい物語。大人にこその良い本だと思う。
2013/10/02
アドソ
田口ランディさん初読み。ティーン向けに書かれた? 生と性と死。少しファンタジーが入っているおかげで、重いテーマが重たくなりすぎない。岡野くんやまゆのように理路整然とに自分の気持ちを伝えられる中学生はそうそういないと思うけれど、それも含めてファンタジーかな。二人をつなぐ糸としてヘッセの『デミアン』が重要な役割を担う。『デミアン』は、「中学生のときに読んでおけばよかったー」と大人になってから思った本なので、これをきっかけにヘッセに触れる中学生が増えるといいな、と思ったり。
2018/01/07
スノーシェルター
すごく良かった!女子中学生のモヤモヤ、性への興味、生と死。少し変わった力を持つ主人公だから、捉え方や考え方が深すぎるかもしれないけれど、みんなが思春期に考える事なのではないか。私は思春期をとうに過ぎているが考えてしまう。悲しいけれど優しい。中学生、読むのだ!
2014/02/04
ダグラスまま
中学生の女の子の初恋、生と死を描く。「かたちのない国から来た赤ちゃんが、姿形をもち産まれて、触れられることの優しさを感動したんじゃないかな」と主人公まゆが思うシーンが印象的。まゆは人以外の命にも敏感なセンサーを持つが、生きているから、産まれてきたからこその幸せがある。ランディ作品らしく、おばあちゃんの職業が気功師だったり、まゆが精霊を見れたりする。ランディ特有のなんだかすば抜けたとんでもなさ?が感じられないところは残念。児童書だからしょうがないけど。ティーンが読めばまた違った感想を持つのかもしれないですね
2013/03/29
紅生姜
形あるゆえに触れることのできる、この世界の優しさと、そこから旅立ってゆく魂の清冽な軌跡を描いた純愛小説。生と死と性と、多感な心に揺れる若者に読んでほしい。きっと今しか見えないものがある。
2012/01/05
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