最後の七月
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最後の七月 / 感想・レビュー
はる
幼なじみの少年3人のひと夏の思い出。九州の小さな町で、団地で暮らす小学4年生のやっちゃんとカズ。ふたりは1年生の頃から体の不自由な松浦の登校を助けてきた。でも、ふたりとも転校することになってしまい……。はっきりとした時代設定は描かれていないけれど、きっと1960年生まれの作者の、子どもの頃の世界。子供たちの長崎弁が郷愁を誘う。バカで単純でガサツだけれど、純粋で真っすぐ。やっぱり男の子はよく分からない。それなのに、3人の関係が何だかやけにキラキラしていて、羨ましくなった。
2022/12/15
ぱせり
余分な説明をあえてごっそり省いて、さらりと書かれている別れ。でも、行間から滲み出てくる言葉にならない思いは大きいです。別れていく三人の前に広がる別々の未来、たぶん二度と重なることがない三つの未来に対して、「よし、来い」と言うような覚悟が爽やか。七月の猛暑の中で、なんだか元気になる。
2010/07/24
RIE5
小学生三人の別れの夏。三人の、微妙な距離感の描写が秀逸!別れの日、どうなることかとはらはらしながら最後のページへ向かった。でも、目を細めて、本を閉じることができた。どこか喉に骨がつっかえたまんまじゃなくて、ほろりとした。小学生男子ってこんな感じだよなぁ!
2012/07/28
バジルの葉っぱ
4年生の男の子たちの友情。この年代の女の子の心情を描く物語はよくあるが、この本は、このくらいの年齢の男の子たちの考えてることや感じていることなどを絶妙な感じにすくいとって表現されている稀有な物語だと思います。(←私は女だから、あくまで推測だけど)。この作家さんの前作もぜひ読んでみたいと思いました。
2010/07/21
とんとん
小4男子3人の友情物語、だけど、臭さの2歩手前で止まっている感じが心地よかった。「いいこと言う大人」が出てこないのもいい。悪態つきまくりの脳性まひの松浦は、ジョゼ、に似てる。
2010/06/28
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