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なきむしこぞう

なきむしこぞう

なきむしこぞう

作家
今村葦子
酒井駒子
出版社
理論社
発売日
2016-06-27
ISBN
9784652201565
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なきむしこぞう / 感想・レビュー

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やすらぎ

幼い頃の忘れられない思い出が鮮明に蘇ってくる。今村葦子さんのちょっと不思議な物語に、酒井駒子さんのぎゅっと抱きしめたくなるような絵が添えられている。動物園に並べられたたくさんのぬいぐるみ。その中からゾウとキリンとライオンを選んで帰ったんだよね。ちょっとしたことから離ればなれになって、でも、離れようとすればするほど離れられなくなって。突然どこへ行ったのか分からなくなって涙を流して大声で泣いて、心のなかでそっと泣いて、いつもここに居てくれたことがどんなに幸せだったことか、お互いが気づいて愛が深まる素敵なお話。

2024/03/12

アキ

2016年発行。今村葦子・作、酒井駒子・絵。すべてひらがなの物語。じょうさん、ちりんさん、らりろん、フパゲッティと、言葉遊びもこどもらしい。泣き虫のあのこに振り回されて、家出したゾウとキリンとライオンのぬいぐるみが、ネズミからあのこが泣いてることを聞き、窓から覗いて、最後にぬいぐるみがあのこの元に帰るお話。絵と文字が別々の頁にあり、パラパラと絵を捲るだけで物語を再現できるようになっています。ぬいぐるみではない屋根裏ネズミの帰る、さびしそうな後ろ姿で終わります。

2021/06/09

よこたん

「ひ、ひっく! ああ、かえってきてよー! ぼくの、じょうさんと、ぼ、ぼくの、ちりんさんと、らりろん! かえってきてよー!」 坊やの余りの暴君ぶりに家出をしてきたという、ぞう・きりん・らいおんのぬいぐるみ達。耳でよだれや鼻水を拭かれたり、鼻に噛みつかれたり、首をつかんで投げられたり。いざ遠くへ行こうとしてみたものの、泣きじゃくる声に後ろ髪を引かれ、思い出すのはあの子と過ごした懐かしい日々のこと。なきむしこぞうは、だあれ? 坊や?仔象?それとも? 大切なものを失いかけて、初めて気付くこと、見えることがある。

2017/11/12

♪みどりpiyopiyo♪

しずかな、なつの、ゆうがたでした。ちいさな、いえのげんかんの、きいろいドアが、そーっとひらいて、ドアのしたのところで、なにかが、こっそりと、そとをのぞいていました。■ぬいぐるみ達の揺れる気持ち。夕暮れ時の小さな冒険。あの子の泣き声。■きゅっと心掴まれるお話。就学前後の子にはあの子の気持ちが、思春期の子にはぬいぐるみ達の気持ちが、身近に感じられることでしょう。■酒井駒子さんの絵が ノスタルジックな心のさざなみを添えて。ほほえましくも、ちょっとせつないお話でした。(2016年)

2017/09/06

anne@灯れ松明の火

今村さん追っかけ中。少し前の新刊チェックで見たなと思い、借りに行ってもらった。絵は酒井駒子さんなので、そちらのファンも気になる作品だろう。持ち主の男の子からの、ぞんざいな扱いを嫌がって家出する3体のぬいぐるみ。動物園の売店で買われた彼らは、故郷を目指そうとするが……。なくなって初めてわかる大切さ、いろんな愛情表現もある……、心に響く、いい作品。ぬいぐるみたち、こんなことを考えているかも?と思うと、より愛しくなるなぁ。やねうらねずみ、いい仕事をしたね!

2016/08/23

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