雑種 (世界ショートセレクション)
雑種 (世界ショートセレクション) / 感想・レビュー
KAZOO
この本は、対象が若い人向きなのでしょうね。最近はカフカなどという作家は忘れ去られる傾向になると感じていますがこの本の挿絵のヨシタケシンスケさんと訳者の酒寄さんの言葉が理解しやすく読んでも面白いと感じるのではないでしょうか?15の短篇というかショートショート的な作品集です。表紙になっている絵と作品集の題名ともなっている「雑種」は最近書かれたものだと言ってもいいくらいの作品です。
2019/02/04
けんとまん1007
カフカ。独特の空気感がある作家。稀有な一人。そこにヨシタケシンスケさんの挿絵。凄いコラボレーション。企画した人のセンスが光る。カフカ。読んで、どう捉えるか。反応は180度真逆だったり。だから、いいのだ。
2019/03/03
燃えつきた棒
ヨシタケ シンスケが表紙と挿絵を描いている。 それと親切なふりがなの振り方から見ると、「世界ショートセレクション」というこの選集は、どうやらヤングアダルト向けのものなのかも知れない。 僕は、ほとんどの本をネットで買うので、それに元来芋の煮えたも御存じない御仁なので、とんと気がつかなかった。 十五篇のカフカの短篇小説を収録している。 今回心に引っかかったのは、「流刑地にて」だけだった。/
2022/12/14
かんやん
カフカは長いものより、短いものの方が断然面白いと思う。初めて触れたときの鮮烈な印象が未だに残っている。『流刑地にて』の装置は道具の適所性とは無縁であり、『家父の気がかり』のオドラデクや『雑種』のペットは適所性から外れているどころか、もはやよくわからぬ存在である。『皇帝の使者』はいつまでも目的地に辿り着けず、『田舎医者』の往診は役に立たず、この世界はその有意義性をとうに喪失している。というか、そもそも最初から欠いている。死すら生を際立たせるものではないかのようだ。安心して日常に頽落することは、叶わない。
2022/05/10
空猫
シリーズ8作目はカフカ。2頁足らずの作品から、少し長めの作品まで、わりと起承転結があるような、風刺も皮肉も解りやすい、児童向けの編纂。ヨシタケさんの挿し絵も変わらず絶妙。不条理な世界観はそのままに、訳が今まで読んだ中で一番分かりやすかった。出発/夢/判決ある物語/皇帝の使者/田舎医者/独楽/家父の気がかり/流刑地にて/館を防衛する光景/雑種/断食芸人/ハゲタカ/ある学会報告/掟の前/橋、の15編
2019/09/18
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