政治的なものについて ラディカル・デモクラシー (ラディカル・デモクラシー 1)
政治的なものについて ラディカル・デモクラシー (ラディカル・デモクラシー 1) / 感想・レビュー
msykst
敵対性は無くせないのにそれを無い事にしてるとグロい事になるよ、合意形成なんてフィクションだからむしろ対立の軸をどこにするのかを考えようよ、でもなんやかんや議会政治は大切だからちゃんとしようね、考えが合わない人は絶対にいるけどそれ道徳の問題に置き換えちゃダメよ、という話ね。都知事選じゃん。
2024/06/19
うえ
これは良書。「民主主義政治の目的を、合意ないしは宥和の観点から捉えようとすることは概念的に誤りであるだけでなく…政治的にいってきわめて危険である」「民主主義理論は長いあいだ、人間の内面的善良性、及び原初的な無垢が、民主主義の存続を確証する必要条件であるという信念に支えられてきた」「この楽観的な見解に異論を唱える者は、自動的に、民主主義の敵とみなされたのである」「フロイトの死後半世紀以上たった現在…精神分析理論への抵抗が依然として根強く、彼のいう敵対性の抹消不可能性に関する教訓はいまだに理解されていない」
2015/08/21
LM
【通読】自由で理性的な討議空間を民主主義の基盤とすることを拒み、シュミットの友敵関係を援用し「政治的なもの」を基盤とした民主主義が主張される。敵対の可能性を孕んだ関係性が政治の基礎だとするのは共感するし、それが左/右の対立の復権を必要とするのも納得できる。ただ、たとえば憲法論議で、改憲派のあいだでコンセンサスがとれていない状況でも護憲派=左/改憲派=右に分かれて闘技的に議論をして、実りのある議論ができるのかは疑問である。つまり、予め設定されたアジェンダの枠内で簡略化された議論しかできないのではないか、と。
2021/06/04
ルンブマ
「多様性」を社会で実現するためにはどうすればいいか? この問いに対する回答としては、「さまざまな対立を乗り越え、異なる個人の共存を尊重すること」という回答がおそらく一般的であろうと思う。そのような考えに異議を唱えるのが、ムフの『政治的なものについて』である。 ムフは、「多様性」実現のために、「政治的なもの」の必要性を訴える。「政治的なもの」とは、人々の行動原理となる「秩序」は何かしらの排除の論理を含んでいる(ベルクソンも『道徳と宗教の2つの源泉』で同じことを言ってたな…。)ということを意味する。
2019/06/06
砂糖 翠
再読。内容が多岐に渡っているため、概念は斬新ではあるが少し物足りなさがある。まだ新しい話なので今後研究していきたい
2014/11/04
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