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木にたずねよ

木にたずねよ

木にたずねよ

作家
和合亮一
出版社
明石書店
発売日
2015-04-27
ISBN
9784750341781
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木にたずねよ / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

これはお勧め。日本の現代詩のように難解で分かりにくい詩はほとんどなくて、非常に読みやすい。全て木のことを描いたところに特長があり、木の葉を渡るそよ風を全身で感じられるような清々しさがある。同郷の詩人長田弘さんの「大きな木」を何度も思い出しながら読んでいった。長田さんは亡くなってしまったが、長田さんが表現しようとしたことは、和合さんに受け継がれているような気がした。このような香気を感じる透明な言葉は、私たちの心の栄養分だと思う。

2016/01/14

けんとまん1007

木。自宅の敷地にも木がある。ボランテイア活動で森林整備のため、木に触れることも多い。よく思うことがある。一つの生命体としての木の存在感だ。寡黙でもあり、また、雄弁でもある。その佇まいから、いろんなことを感じ取ることができる。小さい頃、自宅の木に、よく登った。そこは、別世界。何故、登りたくなるんだろう。そこは、山と同じかもしれない。一本一本に個性がある。まるで、人と同じ、いや、生命体だから同じか。いろんな木がある。だからいい。そんな木を蔑ろにする人は許せないと思う反面、哀れさをも感じてしまう。

2015/07/18

kentaro mori

「木は人の比喩だ。/なぜならいつも立ち続けているからだ。」一本の木、たくさんの木。木はイメージを喚起する。「風に吹かれたいとき それは もう/あなたの心を 吹き渡っています/木は あなたの訪れを 待っています/時は 満たされています」(はじまりの木)ー「あなたは/たった/一人では/本当に/か弱い/悲しい//この世界は/一人では/あまりにも/広すぎる/残酷すぎる/だから//手を/つなぎませんか/そうして/生きて/いきませんか/私もまた//か弱くて/悲しくて/いつも/手探りしています/あなたと/同じなのです」

2018/05/09

とよぽん

詩人の「あとがき」に「木は人の比喩だ。なぜならいつも立ち続けているからだ。」とある。福島の木の姿を見つめ、詩人はそこに暮らしのありかを新しく探していることに気付く。復興に向けて、詩の「言葉の力」が人々の背中をやさしく押してくれることを、確かなものとして感じる。

2015/07/26

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