ポストフクシマの哲学――原発のない世界のために
ポストフクシマの哲学――原発のない世界のために / 感想・レビュー
左手爆弾
いかにも反原発の本のように見えて、内容は実に濃い。例えば、原子力災害に関する報告書の読解から始まって「質と量」の問題や、時間意識にまで話が及ぶのは非常に高度な議論。また、原発事故の後、前から根強かった「デカルトやベーコンなどの哲学者が人間の自然支配を正当化した」などという声が再燃したが、本書にはそれを正面から否定する議論が含まれている。福島原発関連の本をたくさん読んできた人にとっても、全く別の切り口として読めるだろう。
2015/08/27
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