レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集
レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集 / 感想・レビュー
くさてる
誰か有名人が亡くなった時、様々な媒体でいっせいに追悼の言葉が流れる。自分でも書いたことがある。どんなに言葉を重ねてみても、ほんとうのところまで書けた気がしなくて厭になったり他人の言葉が響かなくてそれも恨めしい気持ちになることがある。けれど、菊池成孔の綴る追悼文は、そのひとと自分自身の関わりの深さとは関係なく、それを読むことで死者への想いを感じ、自分も自然と頭を垂れ、喪失の気持ちを深く味い直す気持ちになる。浅川マキとウガンダ・トラ、忌野清志郎、山田房江(仮名)さんへの追悼文がとくに好きです。素晴らしいです。
2015/12/31
mawaji
初菊地成孔。「アリス・コルトレーンはジャズ界のオノ・ヨーコ」「心酔していたラヴィ・シャンカールに思いっきりダメ出しをくらうコルトレーン」などの小ネタにフムフム頷きながら読みました。加藤和彦と伊丹十三のプロファイリングの共振性や紫色の闇の中でマグカップ片手におんなじ質問を繰り返す浅川マキの逸話なども興味深し。忌野清志郎と山本房江(仮名)さんへの追悼文が特に印象的でした。Close to youの訳詞、とてもよかったです。坂田先輩の狼藉の尻拭いをして頭を下げるナルヨシ氏は非常に常識的なヒトなのではなかろうか。
2020/09/03
Takuo Iwamaru
「不謹慎を承知で」という言葉が(筆者も自覚しているように)本書中、何度も繰り返される。「こんなことを言ったり考えたりするのは不謹慎だろうな(だから言わないでおこう)」と、時に僕も考える。不謹慎を承知でという前置きを(本書の筆者ですら)書かせてしまう何か。だがその何かを敵に回してでも、守るべきものがあると僕は感じた。この破格の追悼文集は、祝祭的な雰囲気に満ちている。それこそ不謹慎な本なのかもしれない。だが僕はそれを死者への冒瀆とは感じない。不謹慎であるというルール破りで可能となる追悼があってもよいからだ。
2015/11/22
かれーらいす
タイトルから最期まで追悼文よって体感する衝動やあるべきような在り方がまざまざとあった
2024/05/18
hf
1ー2年くらい前に御嶽山のジャスコで購入、放置していて読み終えた。相倉久人の本を読んでみたい。相倉久人と瀬川昌久は別人なのだなぁ。相倉久人さんを激怒させたという編集の人は誰なのだろう。中山康樹さんの本も読んでみたいものだ。あとモダンジャズディスコティークは毎年2月にやってるのかなと。2011年の震災前、夜電波が始まる前の文章が自分にとって新鮮であった
2020/02/08
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