ベストセラーで読み解く現代アメリカ
ベストセラーで読み解く現代アメリカ / 感想・レビュー
buchipanda3
ここ数年アメリカでベストセラーとなった本の書評集。小説、ノンフィクションの区別なく移民の国、セクシャリティ、競争社会などテーマごとに紹介され、その内容の考察から背景にある今のアメリカの社会事情が見えてくる。多様性が叫ばれる今でも人種や性の差別問題は根深そう。ヒューゴー賞の混乱は知らなかった。そこまで差別が影響しているとは。先住民の話、自国なのに異邦人のように暮らしている心情はどんなものなのだろう。The Fifth Season、There There、Catch and Killなどが翻訳されないかな。
2020/02/23
白玉あずき
読みたい本は邦訳されていない物ばかり、というがっかり感が強い。とても原文で読む気にはならないし、もう何年も前の出版で話題性が無くなっていれば、今更訳されることもないだろう。とても残念だなあ。特に"Catch and Kill" あの#MeTooの騒ぎが単なるセクハラ問題では無く、マスコミ、スポーツ界等の内部権力者による、極めて卑劣で組織的な「犯罪」だった事、知らなかった自分が恥ずかしい。『加害者である大物がタブロイド紙を通じて被害者の過去の異性関係やスキャンダルを掘り起こして大げさに報道し、
2020/05/29
yyrn
近年の全米ベストセラー本が多数紹介されているが、なぜそれらが評判となったのか?歴史や文化的背景を解説しつつ、個人の見解もどんどん述べているので、どの本にも明確な(リベラルがかった?)主張が汲み取れて興味がわくが、読んでみたいなと思う本に限って邦訳されていないのが残念。アメリカ繁栄の陰で、人種や民族の壁が絶望的に立ちはだかり、所得格差が就学や就業の機会も理不尽に奪い、黒人が大統領になっても容易に変えられないその闇の深さを考えさせられた。恋愛と結婚本の章でさえ考えさせられるが、それでもそこには希望もあった。
2020/06/29
zirou1984
ちょっとびっくりするくらいに面白かった。タイトルの通りニューズウィーク日本版オフィシャルサイトの連載を中心にまとめられた書評集なんだけど、こんなにも心に響く書評はそうそうない。その面白さは選出された本以上にそれを読む彼女の眼差しによるものであり、著者は一冊の本の向こう側にある現実の社会と、そこに暮らす一人ひとりの人生を具体的に想像できているのだとはっきりと思わせてくれる力がある。だからこそフィクション、ノンフィクションを問わずその言葉はしっかりと地に足が着きながらも、どうしようもなく届いてくる。スゴ本!
2021/01/31
kubottar
現在アメリカは荒れています。そして日本人である私達は人種差別についてあまり経験がありません。黒人の子供は「絶対に警官に逆らっちゃいけない、殺されるから」と厳格に教えられるという現実を知るためには、アメリカで売れているベストセラーを読むべきだ。ソレ以外には、LGBTや大麻合法など、なぜ日本とは違う価値観がアメリカにあるのかを知るためにあちらの本を読むことは大事です。
2020/06/30
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