おおきな木
おおきな木 / 感想・レビュー
ヴェネツィア
同じ作者シルヴァスタインの『ぼくを探しに』に比べると、絵も文章もずっと饒舌(は言い過ぎか。ただ、シルヴァスタインにしては)である。それにしても前作が倉橋由美子の訳、今回が村上春樹訳と、この人の絵本は作家たちの感性をことのほか刺激するようだ。さて、お話はとってもせつない。りんごの木の無償の愛といってしまえばそれまでだが、それにしても哀切なまでの美しさが読者にせまって来る。そして、絵のシンプルさは、この場合それをかえって際立たせる効果を持っているようだ。
2024/05/25
やすらぎ
愛を尽くしたい人、愛を受け取っているはずなのに気付けない人、愛を当然だと思っている人、愛を受けとってもっと大きな愛を生みだす人。愛のかたち。この絵本に答えはなく、読み手に委ねられるもの。読む人の読むときの感情が浮かび上がってきて、自らを見つめ直す機会を得られるもの。大きな木の立場になるときもあれば、少年の立場になるときもある。その日その日で人は感じ方が異なるから、同じ物語であったとしても、喜びを感じるときもあれば、悲しみに打ちひしがれるときもある。あなたがおおきな木であったら、どんな物語になるのでしょう。
2024/01/05
HIRO1970
☆☆☆名作です。最後に牧童が消えて牛が歩いているような・・・諸行無常を感じさせる作品です。
2004/01/01
kaizen@名古屋de朝活読書会
銀行の待合においてあったので拝読。大きな木は、母親のような愛情。実、枝、幹と与え、人間は身体、家、船を作っていく。切り株になっても、椅子として役立つ。
2014/12/07
momogaga
旧訳もなじんでいたが、村上訳は平易な文章で好感が持てた。今回久しぶりに読んだが、読むたびごとに新しい発見がある。これからも読み続けて行こう。
2015/08/07
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