こころの話 (中学生までに読んでおきたい日本文学 7)
こころの話 (中学生までに読んでおきたい日本文学 7) / 感想・レビュー
KAZOO
本当に松田さんが選んだ作品は中学生にはかなりレベルの高いところを目指していると思います。「こころの話」とあるように心に何かを感じさせるものを選んだということなのでしょう。15の著名な作者の作品がありますが、わたしの既読のものは志賀直哉「清兵衛と瓢箪」中島敦「山月記」谷崎純一郎「刺青」のみでした。この「刺青」や色川の「ひとり博打」三島の「志賀寺上人の恋」などは中学生向きなのか考えてしまいます。でもどれもいい作品だとは思いますが。
2022/08/31
風眠
「こころ」というものは本来、曖昧なものなのだ。ともすれば、分かりづらくなってしまったり、取り上げる範囲が広くなり過ぎてしまったり、難しいなと思った。「こころ」というテーマで編纂された本として手にとった時点で、私の中では、もっと限定された狭い意味合いの「こころ」を想像してしまっていたことに気付かされた。曖昧で、不思議で、いちばん近くにあるものなのに意外と分かっていない、それが「こころ」なんだな・・・。
2012/08/01
訪問者
志賀直哉「清兵衛と瓢箪」は元祖オタク小説。その行き着く先を描いたのが色川武大「ひとり博打」か。石原吉郎「ある〈共生〉の経験から」は一読忘れがたい傑作。他にも国木田独歩「少年の悲哀」、井上ひさし「あくる朝の蝉」など名作多し。
2023/12/04
圓子
シリーズコンプリート。大学入試の問題で出会った『多摩川探検隊』と再会。おお!突き詰める人はとんでもないな『ひとり博打』。臆病な自尊心と尊大な羞恥心。子供にはわからなんだ『山月記』。毒婦になれるだけのなにかを持っていたかった『刺青』。きれいな文章書くんだな『志賀寺上人の恋』。
2013/12/03
Seahorse
太宰の「雀」が良かった。病気で戦場から療養地に行った男がちょっとした暴力事件で、戦争のよろしくなさを痛感する話。太宰はやはりうまい。 井上ひさしの「あくる朝の蝉」も良かった。夏休みは孤児院の子達へのイベントが多く、主催者達が喜んでもらいたがるので、無理に喜ぶ様子を見せなけれならず疲れるという話が良かった。 辻まことの「多摩川探検隊」は大変に楽しかった。しかし伊藤野枝と辻潤の間に子供がいたとは知らなかった。
2022/05/17
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