こわい話 (中学生までに読んでおきたい日本文学 8)
こわい話 (中学生までに読んでおきたい日本文学 8) / 感想・レビュー
ちょろこ
満足の一冊。いい時間を過ごせた。タイトル通りの名だたる作家陣の名だたる"こわい話"を編んでくれた作品集。恥ずかしいぐらい知らなかった作品がたくさんの自分にはこういうのはとてもありがたく、満足感いっぱい。漱石の「夢十夜」は夢という抗えない中での怖さがいい。夢野久作の「瓶詰地獄」は構成も含めてうまいな。坂口安吾の「桜の森…」は改めて美しさが怖さを包み込むよう。これは桜だから似合う恐怖美だと思う。志賀直哉の「剃刀」は空気が張り詰めるような怖さ。そしてやっぱり乱歩の「白昼夢」が気持ち悪いけれど一番惹かれる世界観。
2024/08/27
KAZOO
中学生までに読んでおきたい・・ということなのですが、結構大人が読んでも楽しめました。他のアンソロジーに収められているものもあったりで読んだことがあるものが多かったのですが水準は高いと思いました。筑摩書房の「ちくま文学の森」シリーズを思い出しました。編者がちくまの方だったのですね。それにしても中学生までに・・、というのは無理な感じもある気がしました。他のシリーズも読みたい感じです。
2019/10/26
chimako
中学二年生美術の授業のための読書。絵本や短編集の中から題材を選びブックカバーを作りたいとの意向で読んでみた一冊。濃いアンソロジーだった。日本人が“こわい”と感じるのはどんな時なのか、何に対して恐怖を覚えるのか、日本という国が何を拠り所にして続いて来たのか分かるようなこわい本だった。夢野久作の『瓶詰地獄』は遭難した兄妹が人としておかしてはならない禁忌を瓶詰めの手紙の形を取って描き、坂口安吾の『桜の森の満開の下』は癒されることのない孤独と死を首遊びというおぞましさで描きだす。中学生には難しい一冊。
2014/09/03
モモ
夏目漱石「夢十夜」ぞくりと怖い背負うもの。半村良「箪笥」家族が箪笥の上に座るようになる怖ろしさ。坂口安吾「桜の森の満開の下」さらってきた女が怖すぎる。中島敦「牛人」予期せず出会った息子。徐々に人生を締め上げてくる恐怖。菊池寛「三浦右衛門の最後」これは、参りました。恐ろしすぎる。志賀直哉「剃刀」最後はもう読めない。夢野久作「瓶詰地獄」無人島に残された兄と妹の悲劇。島尾敏雄「鉄路に近く」これは実話なのだろうか。妻が精神的に不安定になり、鉄道自殺するのではと捜しまわる様子が本当にきつい。本当にこわい珠玉の一冊。
2024/07/30
Shoko
図書館。印象に残ったのは、半村良の「箪笥」、岡本綺堂の「利根の渡」、菊池寛の「三浦右衛門の最後」、志賀直哉の「剃刀」。中学生になるまでに読んでおきたい日本文学シリーズなのだけれど、大人でも十分に楽しめる。シリーズ他のものも読んでみよう。
2018/06/19
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