こやたちのひとりごと
こやたちのひとりごと / 感想・レビュー
seacalf
ああ、これは物凄くいい。何の変哲もない簡素な小屋たちに谷川さんの言葉が息吹を与える。まるで本当に語りかけてきているかのようだ。お世辞にも綺麗ではない小屋達の写真に、頁をめくるたびに心に豊かさが満ちてくるから不思議。幼い頃に行った祖父母のりんご畑にあった小屋を思い出す。入っていると包み込まれるような感覚があったことを思い出す。思い出の小屋をひとつ知っているだけで、この本に登場している数々の小屋達に妙に親近感が湧く。よくぞ名もなき味ある小屋達にスポットを当てて素晴らしい絵本を作ってくれたものだ。
2023/08/01
とよぽん
小屋・・・納屋とはちょっと違う? 何かの用途があって必要な存在だったはず。写真に写る小屋たちは、現役のものもあれば役目を終えてなお存在しているものもある。スチールロッカーの扉が屋根材に使われている小屋に驚いた。どれも自己主張しているようで面白い。それは、谷川俊太郎さんの「ひとりごと」が醸し出す味かな。十人十色ならぬ十小屋十色? 味わい深い写真絵本だ。
2023/12/11
たまきら
墨田区の風景を撮影している中里さんが各地で撮影してきた小屋の写真に、谷川俊太郎さんがことばを添えたものです。素人が作った素朴な物置き場。子供の頃秘密基地わわ作って叱られたりした、農家のおばちゃんたちの荷物入れ。資材置き場の工具入れ。何かが入っているのに無防備な不思議な場所。あのドキドキを少し思い出しました。
2024/02/03
zero1
田舎で見かける小屋。ボロで電気やガスは無くツギハギで穴もある。写真に詩人の谷川が擬人法で表現。例えば【くちはてるのもわるくないっておもう】とか【しぜんとなかよし】【ずっとここにいる】など。📚️廃村や高齢化社会などを連想した。小屋の多くは農林水産の道具が入っているはず。どうせなら、扉を開け【お洒落な小屋】を紹介してほしかった。中が【大人の隠れ家】になっているとか。📚️図書館で見かけ、読む。
2024/06/02
FOTD
田畑のはずれにポツンと置かれた小屋には、農具が収納されているのだろうか。それぞれ、ひとつひとつが個性的な小屋。小屋のつぶやきに耳を傾けたくなる。 この本は小屋の写真集、あるいは写真絵本。ページを広げて見ているだけで、胸にぐっと来るものがある。写真がとっても素敵だし、文も味わい深い。もし自分が小屋を作るとしたら、どんな小屋を作るだろうか。
2024/01/23
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