負債と信用の人類学 人間経済の現在
負債と信用の人類学 人間経済の現在 / 感想・レビュー
ほなみ
めちゃめちゃ面白かった。自分がどれほど資本主義の見方に偏っていたのかわかる一冊。 貨幣が負債から始まったという説はモースの贈与論から知っていたが、この本で負債というものに対して見方が変わった。 そもそも何をもって負債というのかというところ、パターンとしてはいくつかあり、お裾分け的なものや、見返りが前提のものや、親子関係的なヒエラルキー的なものなど。 その関係性により、一言に負債と言っても役割はだいぶ違う。 特にお裾分けなどは、信用という測定できないものが前提にあるのだが、資本主義では、測定できるものが
2024/02/07
SQT
負債debtは「〜に借りがある」というように、経済的な意味だけでなく、社会関係的な意味も含むことば。それをもとに各フィールドでの負債のやり取り、例えば仲買人がツケ払いで売ったものを返してもらえなかったり…、農地を耕す約束を果たしてくれなかったり…といった事例から、必ずしも債権者の方が立場が強いわけではない多様なやり取りを通して、純粋に交換価値に還元されない「人間経済」の形を描いていく。結局、基盤的コミュニズムの「能力に応じて働き必要に応じて受け取る」をグレーバーは支持しているようだが、座談会では、
2023/10/15
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