見えない博物館
見えない博物館 / 感想・レビュー
マリカ
池澤さんにいろいろな海を見せてもらった。小さな島に行けば、その島に住んだ先人のことを思い、また、海の地平線を眺めては、その海の向こうに横たわる巨大な大陸を思い、ときには遠くの海に浮かぶもう一つの小さな島のことにも思いをはせる。考えは海のように広がり、世界のあちこちとつながっていく。自分は海のようになんて自由で解放された存在だろう。そう感じられることが池澤さんからの何よりの贈り物だ。
2012/03/24
Maumim
若かりし頃の池澤夏樹のエッセー。わからない固有名詞もそのままに、読者を置いてけぼりに、どんどん語っていく若さがいい!海に関する哲学的な思考を展開する前半。そして、文明と文化について、人類学的な視点から論じる後半。レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」を絶賛する一方で、大阪の「みんぱく」に淀む「悲しみ」について、考察していく。「民族学博物館万歳!」とか思っていた自分の浅はかさに恥じ入りながら読み終えた。
2011/09/25
更新停止中
これ文庫の方も絶版でしたっけ。ものすごく好きなので是非手元に置きたいのに。
2010/08/20
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