おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国-
おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国- / 感想・レビュー
kinkin
外国から見た誤った日本観というのは現在でもあるようだ。映画に描かれるニッポンや日本人は違和感あふれ苦笑するものが多い。この本は669年にモンタヌスが著した「日本誌」の挿絵を見た著者がそのユーモラス」さを魅力的に感じ、同様の絵とともに習俗や建築物、人、地図が紹介されている。逆に日本人も外国例えばいまだにモンゴルでは皆が馬に乗って大地を駆け巡っていたり、スイスでは牧場で角笛の音がいつも聞こえたりと思い込んでいるのかもしれない。現代の外国について思い込みを絵にして発信してもおもしろいかも。関係は険悪になるかなあ
2017/12/05
kei-zu
「ニンジャ・スレイヤー」みたいだ。読んでいる間、ずっとそう思っていました。 伝聞に基づく開国前のわが国の紹介がいかに珍妙であることか。確かに、千手観音や大仏を説明されてうまく図解できるはずがありません。 一方、著者は画家のサービス精神を指摘します。であれば読者は、不思議な国の景色を楽しみましょう。
2022/10/08
まるる
日本を知らない中世の西洋人にとっては、日本=アジア=トルコ、中国、インド的な発想になるんだろうな。見も知ら国を文献と人から聞いた情報だけで想像力を駆使して描かれた日本は、無国籍でとてもミステリアスな世界だった。RPGの舞台になってもおかしくない。仏像関係とかラスボスで出てきそう(笑)信長像はなんでそうなった?的な(笑) 面白かった~(^o^)
2014/04/15
HANA
我々は一体どこに住んでいるんだろうか。17世紀の修道僧モンタヌスが伝聞と創造によって作り上げた日本。そこでは中東と印度と中国と日本が混じりあった不思議な国になっていた。人々がする脱力系の奇妙なお辞儀、印度の藩王みたいな日本紳士、ヒンドゥーの神々みたいな仏たち。ひたすら奇妙なその絵の数々は見ていると、『博物誌』や『山海経』を思い起こさせられる。幻想の地理を扱ったもので、これほど面白いものが残っていたんだな。絵の内容にツッコミを入れる著者の筆遣いもひたすら面白い。どこにもない日本を堪能させてもらいました。
2013/09/07
したっぱ店員
三浦しをんさんの書評を読んで買ったのはずいぶん前。寝しなにちょっとづつ見てはくすくす笑っていたので時間がかかってしまった。昔々日本を「発見」した西洋人が書いた手記に、まったく現場を見ていない画家がつけた挿絵を紹介した本。見たこともない着物とかお城とかを、文章のみで再現するのってそりゃ無理ですよなあ・・と納得はするけど、その似ても似つかないぶりが面白い。これ見て日本に来たらなんのこっちゃだったろうなあ。何度見ても楽しいので、ちょっとお高いけど買って良かった。
2014/11/25
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