現代マンガの冒険者たち
現代マンガの冒険者たち / 感想・レビュー
山口透析鉄
現代日本のまんがを形作ってきたレジェンド、巨匠というよりは、まさに今、旬で紹介したいという漫画家さんの列伝です。 章ごとに一覧で大まかな枠を示し、十二分にメジャーな作者は簡単に触れるにとどめ、著者が推したい作者を中心に書かれています。 古書で購入して読んで、著者には葉書でファンレターを出しました。 内容はやや古くなっているところもあるかもしれませんが、改訂版、まだ出さなくても良いくらいには有益な本です。 オススメです。
2020/11/07
booklight
【拾い読み】マンガ評論って、面白くない。理由の一つは現代評論になってしまい、その評論自体が面白くないからだ。マンガは面白いのに。でも、この本にはマンガ愛があり、マンガが中心に据えられ、漫画の魅力を邪魔しないように尊敬をもって語られているせいか、面白い。『大友克洋からオノ・ナツメまで』とあるように、60~70年代に軽く触れながら80~00年代がメイン(08年出版)。個人的にはほぼど真ん中で、「そうそう」と思いながら読む、ガイドブックの楽しみを得られた。参考文献50冊、作家索引500名、ジャンル別の系譜あり。
2019/10/20
てながあしなが
マンガ好きの同期におすすめしてもらって読んだ。すごくよかった。マンガの分析を、テーマごとに時系列順にみていく。自分の世代じゃないというのもあるのだが、著者の熱のこもったマンガ家も全然知らなくて、まだまだ世の中には面白い漫画があることをうれしく思った。ただ、もっと知ってるマンガ家に関する文章を読んでみたいので、ぜひ第二弾で現代マンガ家を紹介してもらいたいなぁ。
2018/06/13
seichan
90年代以降のデビューはきちんと読んでいなかったので、読みたくなる作家が多々いたのが大収穫。絵柄の影響に重点をおいて紹介していたのは、過去のマンガ評論とかぶらなくて良い。こういう現在形のマンガ評論はたくさん出て欲しい。
2012/01/31
てまり
情熱がすごいマンガ評論集。「画力がすごい」「ストーリーテリングがすごい」など小さいくぎりで2、3人ずつ取り上げてあり、読みやすい。年代の流れにあわせて多くの作家にふれる記述が多く、マンガの移り変わりが分かりやすかった。全体的に個人的な問題を扱う物語が至高といったふうがあり、政治的テーマを扱う作品に対し、年輩者なら全共闘の臭みとか若者なら地に足が着いてないなどの評価がひょいと出てくるのもこの本の書かれた時代とマンガ好きの空気をしのばせて勉強になります。
2024/07/25
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