人はお金だけでは動かない―経済学で学ぶビジネスと人生
人はお金だけでは動かない―経済学で学ぶビジネスと人生 / 感想・レビュー
Humbaba
経済学では思考実験のためにも,まずは完全に経済合理的に行動する人物を想定することがある.しかし,現実社会には完全に合理的に判断する人も,完全に利他的な人も存在しない.それでも,経済学の考え方というのが完全に無意味なわけでなく,人の行動の,少なくとも一部は経済学的に解明できる.
2013/02/26
手押し戦車
幸福を感じる能力も限界が有り豊かに成るほど幸せに成るとしたらすぐに幸福の上限に達し効果的なインセンティブも無くなり努力する気持ちも無くなるのでリセットする仕組みが有り周囲の人より多く成し遂げたり昨日以上に成果を上げたりした時に幸せを感じる様に働く。市場で合理的に行動する人は新たに出た材料を相場に織り込み推奨に対する市場の反応を見ると横並びが起きてるか判断出来る。市場のレミング現象は格上げより格下げに強く働き悪材料を伝えるとき集団から浮くのを消極的になるので多くノイズが入り格下げが膨らむ
2014/09/13
壱萬参仟縁
カーライルの経済学観はdismal scienceとの認識はいまだに不変である(6ページ)という認識に基づいて述べられている。神経経済学は脳科学者との連携で進む分野だろう(16ページ)。経済学のみならず、脳科学と心理学との協働作業が幸福解明に重要なのである。マルコ・スンデルの研究結果によると、米国人25-75歳、1万4千人の被験者で、ほどほどの過体重(BMIが20後半)が平均余命が長いらしい(109ページ)。少し安心。経済学の目的は、消費者の健康や権利を守ることが重要で、政治経済学も今でも有効と思ったな。
2013/01/18
Sanchai
タイトル以上に広範に経済学が適用可能な領域をカバーしている。第2章「幸福の追求」、第7章「グローバル化の論理」、第10章「経営者も人の子」、第13章「市場経済の暗がりで」あたりが自分的には示唆が得られた記述が多かった。こういう先行研究の棚卸しの中で、日本人の執筆したものがまったく含まれていないところには寂しさは感じる。
2017/07/08
いちかわ
様々なことを経済学の視点で見ていく本。経済学の前提として、利益のみを追い求める合理的な経済人というモデルを定義するが、この本はそんなモデルは現実にあり得ないことを主張する。全ての学問は簡略化のために単純化したモデルを仮定するが、それにとらわれていては知識を現実に適用できないのも事実である。これから深く経済学を学ぶにあたって、ある意味でやっていることが机上の空論であることを忘れてはならないと感じた。内容としては、経済学の単語が様々出てくるので、経済学を学習していない人にとっては読むのが辛い箇所もあると思う。
2013/04/21
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