AD2015隔離都市: ロンリネス・ガーディアン (ファミ通文庫 90)
AD2015隔離都市: ロンリネス・ガーディアン (ファミ通文庫 90) / 感想・レビュー
佐島楓
桜庭さんのデビュー作という視点で読まなくとも、優れた作品だった。もうちょっとここはこう・・・というところが完全にないわけではないが、終盤の犯人探しなど、きちんとその後のミステリ的作品の片鱗が存在する。思わず「おお」と数回声に出してしまったくらいだ。SF要素もはらんでいるしハードボイルドな側面も持つ閉鎖空間ミステリといったところ。古本で買いましたが大事にしようと思います。復刊と続編をぜひ!
2012/05/10
ひなた*ぼっこ
桜庭一樹デビュー作。絶版で図書館の相互貸借利用。近未来2015年の閉ざされた街新宿を舞台にバーチャル世界と現実が錯綜するサイバーパンクな物語。ラノベだからサクッと読めるんだけど、いくらでも深読みできる余地があるのが良い。この頃から桜庭一樹らしい危ういけど強かな少女がいるのね。
2020/06/17
なるせの
桜庭一樹のデビュー作。作者紹介のところに性別不明と書いてある。あとがきもどことなく男性を連想させるような文体。今の桜庭一樹を知っているので、少しにやにやして読んでしまった。物語は新宿にある研究室から未知のウイルスが漏れ、対策として新宿閉鎖。その中で残された人々は閉鎖された新宿で生きていく。外部とは違った社会秩序。ないものはないものとして不便ではないし。他者を救い守ることはその人のためでない。考え方をあたえてくれる楽しい作品。
2016/01/06
Empirestar
アウトブレイクの封じ込め(音速に近いエアダクトによる封じ込め)というアイディアによって完全に新宿を隔離するというアイディアは面白い。そこに大人たちが死別してしまうというウィルスを導入し、完全に隔離された空間とその代替空間としてVR新宿を作成し、ふたつの世界を行き来するあたりは、柾悟郎の『ヴィーナス・シティ』(ハヤカワ文庫JA)っぽい。
2008/06/14
ひなこ
桜庭さんのデビュー作。昨年の頭に手に入れて、2015年に読もうと思い読まずに積んでいました。デビュー前に別名義でゲームのノベライズを多く書かれていることも理由にあるのか、初期作はどれもゲーム的だなと思います。現在の独特の言葉遣いや空気感はあまり見当たりませんが、それでも随所に今を思わせるものもあり、また、それがなかったとしても面白かったです。
2015/02/25
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