精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話
精神のけもの道―つい、おかしなことをやってしまう人たちの話 / 感想・レビュー
ぐうぐう
まずはタイトルが逸品。ついついおかしなことをやってしまう人達の心境を、いつしか精神のけもの道に入っていってしまうという表現で例えている。常軌から逸脱してしまった人達のエピソードが春日武彦のなんとも好感漂う文章で紹介されていて読ませるのだ。ここに登場する人達は、隣人にいるかのような身近さがあり、それはつまり自分もいつそうなるかわからないという切実さも伴っているということだ。そして何より、本文をただなぞるだけでなく、ひとつの作品として描かれている吉野朔美の漫画が楽しすぎる。
2009/05/28
サトゥルヌスを喰らう吾輩
100人ひとがいたら99人には無関係で且つ楽しかったとしても、残りの1人が深刻に傷つくような「面白い話」とその語り方、というのが世の中にはたくさんあって。先生はその100人に1人のマイノリティを相手にするお仕事、の、ひと、なの、では、ないの、です、か、と、随所で思いましたが。うーん、うーん、差別や誤解を助長するような気がしてならない。批判したい論理をもっているひとは最後まで読めないのではないでしょうか。
2015/01/14
くらげ@
(☆☆☆☆)読みやすくスラスラと読めてしまう。神経症が悩みの一本化というのはなるほどなぁと思いました。勉強になる。
2014/07/01
坊主丸儲け
患者を嘲笑してる感じがアリアリとしていて不快。春日氏は何故ペンを取り、世界へこんな駄文を公表しようと思ったのだろうか?彼自身が獣道の中を迷い、徘徊しているとしか思えない。可哀相に・・・
2010/06/28
ビスケ
ウエスタン的…というと萩原流行を思い出す私。ふとした精神のけもの道に入っている人、たくさん見るなあ。自分にもそういうところがあるのかも…と、ドキッとした。春日武彦のするどい観察眼って、職業以上に「人間観察が趣味」というところから発しているような気がする。真っ正直でちょっと意地悪なところがいい。自己嫌悪に囚われた人の行動を、「『気取り』と『自虐』と『甘っちょろさ』の絶妙なブレンド」と評してるあたり、なかなか痛快。
2009/06/13
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