オルタード・カーボン(上)
オルタード・カーボン(上) / 感想・レビュー
miri
27世紀、人間の人格をデジタル化して身体を乗り換えていくことで永遠の命が可能になった時代、ある富豪の殺人事件の捜査に保管刑から呼び出されたコヴァッチ。サイバーパンクとハードボイルドの融合、主人公が刑事ではなく、特別な訓練を受けた傭兵のような存在。上巻の2/3ぐらいまで話が全く動かず、忍耐を必要としますが、ドンパチ活躍し始めたあたり未来のテクノロジーとアクションのかっこよさが立ってきます。命が無限になっても、人間が永遠に耐えられず終わりを求めるという皮肉。下巻に続く。
2019/09/28
ざるこ
27世紀。人はスタックという記録装置を埋め込み過ごし新しい肉体に乗り換えればほぼ不死状態。元兵士のコヴァッチが大富豪バンクロフトに依頼されたのは「自殺と断定された自分の事件の犯人を見つけて欲しい」というもの。序盤170Pぐらいが進展もなくとっ散らかった印象で読みづらいけど中盤から一気。金持ちはクローンを持ちスタックの遠隔保管も出来る。他人の肉体を使えば人間関係はさらに複雑化。官能小説ばりの戯れやバーチャル拷問のエグさはキツイけど、ヒトがヒトじゃないようなこの世界を生きる者たちの思考がとても興味深い。下巻!
2022/09/11
シキモリ
翻訳家・田口俊樹さんのエッセイで知った作品。記憶のデジタルデータ化技術により、肉体を交換することで実質的な不老不死が実現した近未来を舞台に元特殊部隊員の主人公が大富豪の死の真相を探るという所謂サイバーパンクものだが、その文体はチャンドラー等の先人達を匂わせる本格派のハードボイルド。お約束の錯綜した人間関係に加え、独自の専門用語がバンバン飛び出すので結構苦戦しながら読み進める。上巻の時点では事件の全貌が全く見えてこないので、下巻に期待。日系人のタケシ・コヴァッチを主人公に据える著者は結構な親日家のようです。
2021/09/05
けいちゃっぷ
フィリップ・K・ディック賞に惹かれて購入。 ガジェットはSF,中身はハードボイルド。 27世紀、人類は銀河系に散らばり、人の意識はマイクロチップみたいなものに納まり、肉体を替えることもクローンをつくることもできる(お金があれば)。 彼方の星から地球の大富豪に仕事を依頼されてやってきたタケシ・コヴァッチだが・・・・。 ホテルのAIとか女刑事とかのやりとりが面白かった。 面白かったけど長いわなあ。 448ページ
2016/01/14
本の蟲
精神のデジタル保存技術とスリーブ(肉体)の乗換による延命・変身。デジタル人間転送による星間移動が一般化した未来。主人公タケシ・コヴァッチは新たなスリーブにも即座に適応し、強襲・工作を行えるよう訓練された特殊部隊〈エンヴォイ〉元隊員。犯罪者となり治安組織に射殺され、100年以上の保管刑を受けるが、見知らぬ惑星で新たなスリーブを与えられて目を覚ます。仮釈放させたのは6週間前に殺された地球の富豪にして有力者。定期的なバックアップと何十ものスリーブを持つ自分への、不可解な攻撃の調査のため地球に転送させたという(続
2021/07/03
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