オルタード・カーボン(下)
オルタード・カーボン(下) / 感想・レビュー
miri
上巻より。暴力、セックス、マネーの奔流。身体を取り替えられるということは、デジタルな人格をバックアップして、男女の身体どちらにも自分を入れ替えられるということ。アイデンティティはどうなるのだろう。子孫を残すということの意味合いがどれくらい変質してしまうのだろうと考えてしまうが、この物語はあくまでハードボイルドなので深くは掘り下げられず。ただ敵を倒す、ある意味実直に突き進んでいく。実写化されているようなので、映像向きの素材かなと思いました。
2019/09/30
ざるこ
読後「あぁおもしろかった」となるけど、この世界にしっかり浸りたくてまた上巻から読み直した。数多のカタカナ単語の意味を頭に叩き込み肉体と精神に分ければ結構な数の登場人物たちを整理しつつの再読は頗る楽しめた。数百年を生きる金持ちは人命の倫理などもう持ち合わせておらず替えがきくヒトの身体をいたぶって切り刻んで愉しむ。カトリックの掟や娼館、人工知能などが利用され事件は複雑に絡まり合っていく。個人的にはコヴァッチにあまり魅力を感じないけど他人の肉体での恋って想像さえ難しい。不死は退屈過ぎて普通に狂っていくんだろう。
2022/09/30
シキモリ
元上官・カワハラの妨害工作を掻い潜り、大富豪と高級娼館の関連性を突き止めたコヴァッチは大勝負に打って出る―。SFという皮を被ってはいるが、物語のプロットは(良くも悪くも)古典的ハードボイルドミステリーのそれであり、タフで感傷的な探偵役という主人公の人物造形にもそのオマージュが感じられる。人間が学習する生き物だからこそ、不老不死は酔狂者の戯れに過ぎないというのは皮肉的。持てる設定を一気に詰め込んだ印象は否めないが、アクション・ガジェット・ラブロマンスの三拍子が揃ったエンタメ大作であり、映像化も大いに頷ける。
2021/09/07
本の蟲
複数のスリーヴ(肉体)と遠隔メモリー保存から、殺しても無意味なはずの資産家殺しを調べ始めるタケシ。資産家が語らない情報。人類の制御を離れた人工知能。謎の襲撃。自分が身にまとっているスリーヴの本来の持ち主。ヴァーチャル・フォーラムでの娯楽、尋問、拷問。過去のフラッシュバック。新たなスリーヴを買う余裕がない、または奪われた自分の体を買い戻せない貧しい人々。屈辱的な服従。新たな法案と反対派。状況に適応し、パターンを把握する特殊部隊〈エンヴォイ〉の本能が、ばらばらのピースを繋ぎあわせる。浮かび上がった真実は?(続
2021/07/04
けいちゃっぷ
SF風味のハードボイルドとしては及第点じゃないかな。 もちろん全面的に面白かったとは言いがたいし、半分くらいに圧縮してくれてたらもっと読み応えがあったかも。 456ページ
2016/01/17
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