ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち
ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち / 感想・レビュー
ケイ
オースター、パワーズ、カズオ・イシグロ、レベッカ・ブラウン、アート・スピーゲルマン、ダイベック、ピアソン、シリ・ハストヴェットへのインタビュー。CD付き。まず英語で聞いてみた。知らない作家は、声だけの印象では、レベッカ・ブラウンがirritatingで聞いてられず、パワーズが理知的だとの第一印象。内容を日本語で読んでから聞くと、味わいも変わる。よく読むところでは、オースターは予想より饒舌で、小説よりわかりやすく、イシグロは複雑なわかりにくい人だった。知らない作家を読んでから再読したい。
2015/06/20
nobi
最初はそのまま次に薬味を載せて最後は出汁をかけて、な鰻茶漬けみたいに色々な楽しみ方ができるインタビューの本。私は付録のCDでその声を聴きながら英文を横目に見ながら訳文を読んでいった。翻訳家というよりチャーミングな批評家といった感じの柴田氏の誘導と間の手に乗って、時に軽口をたたきながら時に彼の指摘に触発されながら進む。作家の中の登場人物の存在の仕方も姿、声、言葉のリズム…と様々。文学という側面からだけでも現代の奥行きと広がりが見えてくる。それにしてもわずか9人の内3人それも一部の作品しか読んでいない。ああ…
2015/12/06
tokko
前々から読みたいと思っていたので挑戦、でも日本語だけ(笑)村上さんはもちろんだけど、ポール・オースター、カズオ・イシグロ、レベッカ・ブラウンは作品を読んだことがあるので「ふむふむ」と頷きながら読めた。まだ作品を読んだことはないけれど、これを機に読みたくなったのはT・R・ピアソンとスチュアート・ダイベックで、リチャード・パワーズは僕に読みこなせるのかなぁという印象。本当は英語も読みつつCDも聞いて日本語を読むと何倍も楽しめるのだろうけど、それはまた今度。
2018/03/10
ほじゅどー
★★★カズオイシグロ、村上春樹のインタビューをつまみ読み。村上春樹が影響を受けたアメリカ文学はカポーティ、フィッツジェラルド、アーヴィング、レイモンド・カーヴァー、カート・ヴォネガット、ブローティガンなど。翻訳でいろんなことを学んだと言う。村上春樹は、小説というものは、読者と作家との間だけだと煮詰まっちゃう。三者協議じゃなくちゃいけないという、「うなぎ説」。もしくは「コロッケ説」「カキフライ説」(笑)
2016/04/10
Nobu A
まずはCDの生のインタビューを聴き、筆者の翻訳を一読。柴田先生の流暢で奇麗な英語に聴き入ってしまった。東京大学名誉教授で現在も精力的な翻訳家。日本人特有のアクセントがなく、若干のイギリス訛りを感じたので経歴を見たら、イェール大学院修士課程修了。なるほど東部訛り。村上春樹やノーベル文学賞受賞前のカズオ・イシグロも含む、筆者が敬愛する作家9名の職業観や代表作を深く知ることが出来、翻訳家との関係性も見え、とても興味深い内容。英語参考書としても翻訳参考書としても読める贅沢な1冊。装丁も粋で書架に飾っても映える。
2019/04/07
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