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PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)

PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)

PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)

作家
唐辺 葉介
冬目景
出版社
スクウェア・エニックス
発売日
2008-07-26
ISBN
9784757523432
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PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ) / 感想・レビュー

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Aster

SWANSONG以来触れる唐辺さんの文章。日常と非日常の境界線の曖昧さが加速するにつれて本を読む手が止まらなくなる。筆者の心の闇とそれでいて忘れたくない人間への暖かみが感じられる。物語としてのプロットよりもやはり場面ごとのアナロジーや示唆についてばかり考えてしまう、いや考えさせられてしまう。自分はそういう作品がとても好きなのである。

2020/06/14

歩月るな

例えるならかくれんぼをしていて隠れている時にこのまま永遠に誰も探しに来てくれないんじゃないかと思ってしまった時の気持ち。作品の背景と表現技法の所為で、割とそういう読み方を要請されてしまうだろうけど、あえて的外れな方向に読みを進めて行けば描かれているのは「大切な人を失った後にどうやって生きていくか」という前向きな立ち直り方なんだと思う。大切な人と言うのは、世界との繋がりを保つ接点という意味の大切さで、内臓の機能のようなものとしての大切さである。現実はどこまでも現実でしかないのだ。僕の世界との繋がりは何ぞや?

2017/11/09

片瀬

瀬戸口廉也=唐辺葉介のデビュー作。最近、瀬戸なんとかさんの『CARNIVAL』と『SWAN SONG』をレポートそっちのけでプレイして、メチャ焦りましたが、再び薄暗い快適さを求めてこの本に辿り着きました。ベッドでうとうとしながらページをめくっていたら午前2時半ぐらいにようやく読み終えました。それを抜きにしても、まさしく夢でもみてたんじゃないかなって、そんな読後感です。死ぬほど意味不明すぎてモヤモヤしてるのでまた再読したいです。説明できなくてつらいです。このひとの後ろ向きな心理描写が好きすぎて死にそうです。

2017/06/08

ささやか@ケチャップマン

なんていうか、まっとうな良い子は読んじゃいけない感じ。弱っている時に読んでしまったら、完璧に食われる。気味が悪い、気持ち悪い。だからこそ素晴らしい。支えであったアイが架空の存在だったと判明した時の衝撃は尋常じゃなかった。あと、食物を死体と言い切ったり、真実や事実の突きつけ方が、えげつないことこの上ない。ああ、なんか上手く言えない。けど、この小説は凄い小説だ。

2011/10/10

訃報

文章が静かに呼吸している。気づけば読者も同じリズムで呼吸している。この人の書くものを読んでいるといつも奇妙に落ち着く。本作は特にその傾向が強く、すごく安堵をおぼえるが、それはたぶん、他ならぬ死の虚無感だ。なにもない空白の、それこそ真っ白なキャンバスのような場所で、ひとりだけど、孤独を感じるでもなく、自然に、ぼーっと、穏やかに安心している。熱と光のない日だまりみたいだ。ダウナーな、けだるい音楽を聴いているときだとか、使ったことないけど、精神安定剤を飲んだときも、こんな感じがするんじゃないか。

2013/07/20

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